健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

巨匠の筆遣いに神経疾患の兆候

2017-01-09 08:30:22 | 研究
絵画界の巨匠であるSalvador DaliやWillem de Kooningら神経変性疾患を患っていたことで知られる画家の作品を分析した結果、筆遣いの変化を病気の早期診断に役立てられる可能性があることが分かったとの研究結果がNeuropsychologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、パーキンソン病を患っていたスペイン出身のダリやカナダ先住民画家Norval Morrisseau、アルツハイマー病を患っていたオランダ出身のデ・クーニングや米画家James Brooksの作品を含む絵画2029点を分析。比較対象として、これらの疾患がなかったとされるMarc ChagallやPablo Picasso、Claude Monetの作品も加え、絵画の真贋鑑定でのパターン分析に使用されるフラクタル解析を用いて作品の相対的複雑性を計測。分析の結果、デ・クーニングとBrooksについては、アルツハイマー病と診断されるずっと前の40歳前後で複雑性の明らかな低下が認められたそうです。デ・クーニングが正式な診断を受けたのは85歳を迎えた1989年、Brooksは79歳の時だったそうです。DliとMorrisseauについては、複雑さを示す「フラクタル次元」が中年期に増加した後、50歳代後半に減少していたそうです。Daliは76歳で右手に重度の震えが出始め、薬物が原因のパーキンソン病と診断。Morrisseauが同病の診断を受けたのは65歳。一方、Chagall、Monet、Picassoでは、老年期に入ってからも複雑性が高まっていたそうです。認知症の場合、人々は記憶力の低下を気にするが、今回の研究結果から、記憶力低下が起きるずっと以前から何かが起きていることが示されたということです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3112780
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