健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

大腸菌からクモの糸を合成

2017-01-19 08:30:19 | 研究
しなやかで軽く、生物分解が可能だが、鋼鉄以上の強度を持つ合成の「クモの糸」を作ることに成功したとの研究論文がNature Chemical Biologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。クモの糸は、自然界で最も強じんな物質の一つとされているそうです。長年にわたる進化の過程で洗練されたクモの糸の直径は人毛の約30分の1。だが、その強度は防弾チョッキの作製に用いられる合成繊維の「ケブラー(Kevlar)」よりも高いそうです。タンパク分子が鎖状に長くつながったものであるクモの糸について科学者らは長年、その特異的な性質の再現に取り組んできたそうです。クモは糸を紡ぐ際に細い管を通してタンパク溶液を分泌するが、その管の中で酸性度が変化し、圧力が上昇することで、タンパク分子同士が結合して鎖が形成されるそうです。しかし、クモをめぐっては、その飼育の難しさが知られており、作る糸は少量で共食いをする傾向もあるそうです。今回の研究で、大腸菌で生成されるタンパク質と、クモが糸を作る際のpH値の変化を再現する「紡績装置」を用いて、クモの妙技をまねることに成功したというもの。この合成クモ糸は生体適合性があるため、再生医療で有用となる可能性もあるそうです。また、繊維産業で有用性を発揮する可能性も。例えば、従来より軽くて強い身体防具の製作などが考えられるそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3113574
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