政治家は大統領や首相になるという生涯の夢をかなえられるかもしれないが、その引き換えに死期はやや早まってしまうかもしれないする研究結果がBritish Medical Journalに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究は、1722年から2015年までに西側の17か国で国民によって選ばれた首脳279人の没年齢と、次点にとどまり首脳にはなれなかった人261人の没年齢を比較したもの。英国をはじめとする議会制民主主義の国に関しては、選挙時に党首を務めていた政治家が対象とされたそうです。その結果、政府首脳の寿命は、最後の選挙時の平均余命を調整した後の数字で、敗れた候補者よりも2.7年短かかったことが分かったそうです。選ばれた政府首脳は実際に年をとるのが早くなる可能性を示しているということです。
ミトコンドリアと呼ばれる細胞内小器官を、女性の卵巣組織から取り出し本人の卵子に入れる新たな不妊治療を実施したいという申請が、国内の不妊治療クリニック1施設から日本産婦人科学会に出ているそうです(YOMIURI ONLINE)。申請したのは大阪市内のクリニックだそうです。ミトコンドリアは細胞内のエネルギー工場と呼ばれ、このミトコンドリアを卵子に注入して。活性化いわゆる「若返り」を図り、受精率や妊娠率の改善を目指すのが目的だそうです。そして、日本産婦人科学会は理事会を開き、これを臨床研究として行うことを認めたそうです。この治療は腹腔鏡手術により卵巣組織の一部を取り出し、ミトコンドリアを抽出して、体外受精をする際に卵子に精子とともに入れると、卵子が活性化するということです。海外では200例以上行われ、20例以上の出産が報告されているそうです。
米国国立衛生研究所(NIH)は、米国政府が資金援助する研究では今後チンパンジーを用いないと発表したそうです(AFPBB NEWS)。これまで政府機関が研究用に飼育していた50頭は、保護施設で余生を送ることになるそうです。チンパンジーは現存する生物種の中で人間に最も近く、遺伝子の98%が人間と一致するそうです。NIHは2年半前に、チンパンジーを使った生物医学研究の大半を段階的に終了する方針を発表していたそうです。2013年以降、チンパンジーを用いた新たな研究の申請は認可されていないそうです。さらに、米魚類野生生物局(US Fish and Wildlife Service)は昨年、飼育下にあるチンパンジーを絶滅危惧種に指定。NIHによれば、絶滅危惧種に指定された動物を研究に用いる場合、その動物に害が及ぶ恐れがある実験は全て特別許可を取得しなければならないそうですがが、申請事例は今まで一度もなかったそうです。一方で、チンパンジー以外の非ヒト霊長類を用いた研究は継続するとも。
研修中の若手医師のうち、3分の1近くがうつ病や抑うつ症状を患っているとの調査研究がJournal of the American Medical Association(JAMA)に発表されたそうです(AFPBB NEWS)。うつ病や抑うつ症状を患う研修医の比率に関する情報が含まれる先行研究を分析したところ、こうした病気や症状にかかっていた医師は1万7560人中5000人近くと、全体の29%に達することが分かったそうです。多くの若手医師にとって研修期間中はストレスが大きく、睡眠もあまり取れないことが多いそうです。これまでの調査で研修医は一般の人よりもうつ病にかかる比率が高いことは知られていたが、その具体的な比率が明らかにされたのは今回が初めてだそうです。過去の調査では、研修医の抑うつ症状が患者ケアの質の低下や医療ミスの増加につながる恐れも指摘されていたそうです。
米国人の平均寿命は3年連続で横ばいとなっているとの政府統計が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。数十年間にわたって着実な伸びを示してきた後の停滞状態だということです。米国疾病対策センター(CDC)が発表した報告書によると、米国で2014年に生まれた子どもの推定寿命は、全体平均が78.8歳で、女性平均81.2歳、男性平均76.4歳。また、CDCの報告によると、2014年には乳児死亡率が低下し、1歳以下の新生児1000人当たりの死亡数が5.8人と記録的な低死亡率となっているとも。過去に平均寿命の伸びが3年間止まったことは、1980年代に1度あるそうですが、全体としては、米国人の寿命は第2次世界大戦(World War II)以降、ほぼ継続的に増加を続けてきたそうです。この主な原因は、医学の進歩、栄養と教育の向上、禁煙運動などの公衆衛生政策などとされているそうです。そして昨今の平均寿命の伸びが最近停滞している原因については、完全には明らかになっていないが、違法薬物の使用や自殺による死亡数の急増が要因となっている可能性があると一部の専門家らは指摘しているそうです。死亡者の数が多かったのは順に、心臓疾患、がん、慢性呼吸器疾患、偶発的な負傷、脳卒中、アルツハイマー病、糖尿病、インフルエンザ、肺炎、腎疾患、自殺だそうで、これらは全体の73.8%を占め、順番は昨年と同じだそうです。この中で、心臓疾患患者の死亡者数は1.6%減少、がん患者の死亡者数は1.2%減少しているそうです。一方、米国の高齢者層でその数が増加しているアルツハイマー病患者の死亡者数は8.1%、自殺と事故による死亡者数は3%と、それぞれ増加しているそうです。
ホルモンバランスの乱れを抱えている母親から生まれた子どもは、自閉症を発症するリスクがはるかに高いとする最新の研究結果Molecular Psychiatryに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。多のう胞性卵巣症群(PCOS)と呼ばれるホルモンバランス異常と、子どもの自閉症スペクトラム障害(ASD)との関連を示すものだそうです。ASDとは、子どもにみられるさまざまな神経発達障害のことで、母親がPCOSと診断されると、子どものASDリスクが59%増加するとのことです。妊娠可能年齢の女性の5~15%が、PCOSに罹患しているそうです。研究では、1984年~2007年の期間にスウェーデンで生まれた全ての子どもを対象とする、人口ベースの全国調査を実施し、ASD患者約2万4000人を特定したそうです。ASDは女児より男児に4倍多くみられるそうですが、今回の研究では、女児と男児でリスクに差はみられなかったそうです。今回の疫学的研究では、母親のPCOSと子どものASDとの関連性を説明するメカニズムに関する調査は十分に行われていないそうです。
酸化ストレス応答転写因子Nrf2の負の制御因子であるKeap1の新しい機能を発見し、がん細胞の運動を制御する新しい仕組みが発見されたそうです(財経新聞)。コータクチンは外部シグナル(増殖刺激)により細胞の辺縁部、特に細胞運動の際に形成される仮足部分に移行して、アクチン重合を促進することにより、がん細胞の運動を増進させるそうです。そこで研究では、コータクチンによる細胞の運動増進におけるKeap1の役割について検討し、増殖刺激に応答してKeap1はコータクチンとともに細胞辺縁部に移行すること、Keap1がないとコータクチンは辺縁部に移行できないことがわかったというもの。さらにKeap1を欠損させるとがん細胞および正常線維芽細胞の運動性が低下することが分かり、Keap1が細胞運動に重要な働きを持つことが明らかになったそうです。また、コータクチンのアセチル化は、Keap1との結合を阻害することにより、細胞辺縁部への移行を阻害することも確認。つまり、コータクチンの脱アセチル化を止め、アセチル化を増やすとがん細胞の動きが止まることがわかったことになるそうです。これらにより、コータクチン脱アセチル化酵素を標的とした新しいがん転移治療法の開発が期待できるそうです。
世界保健機関(WHO)は、汚染された食品の摂取により毎年約6億人が病気になり、そのうち約42万人が死亡しているとの推計を発表したそうです(AFPBB NEWS)。死者数の3分の1近くは子どもで、約12万5000人に上るそうです。推計によると、世界のおよそ10人に1人が毎年、細菌、ウイルス、寄生虫、有害物質、化学薬品などに汚染された食品の摂取により、病気にかかっていることが分かったそうです。食品由来の疾患についてWHOが報告書を公表するのは初めてのことだそうです。報告書によると、最も被害が深刻だったのは、アフリカと東南アジア地域で、毎年計31万2000人が死亡していた。一方、食品安全に関する規制が厳しい欧州や南北アメリカではそれぞれ年5000人、同9000人となっているそうです。
若年成人期のテレビの見過ぎが原因で、中年期に認知的問題が発生する可能性があることを示唆する調査結果が、発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この調査は、3000人あまりを対象に25年間にわたって行われたものだそうです。若年成人期にテレビの視聴時間が1日3時間を上回ると申告した対象者は、体を動かしている時間がより長く、同じ時期に視聴時間が1日3時間より短いと申告した人々に比べて、将来に認知能力の低下に見舞われる確率が約2倍高かったというもの。ただし、テレビの視聴時間について対象者の申告をうのみにしていること、研究開始当時の各対象者の認知機能を把握していなかったこと、そして約3割の対象者が研究に最後まで参加していないことなど問題点もあるとのことです。
ウマ、チンパンジー、ヒト、イルカは、曲線や直線といった共通の要素を含む図形を類似して知覚する傾向にあるという研究結果が発表されたそうです(財経新聞)。現在地球上には5400種もの哺乳類が生息していると言われているそうで、地中、水中、陸上、樹上、そして空中にまで生息域を広げている。一方、視覚での知覚・認知がそれぞれの種でどのようになっているのかについてはまだよくわかっていないのが現状とのことです。今回の研究では、岐阜県各務原市にある乗馬体験施設「ホースマンかかみが原」に暮らす3個体のウマを対象に、タッチパネルシステムを用いて視知覚を調べる実験を実施。そして、既に同グループが行っている、チンパンジー、ヒト、イルカの実験結果と照らしあわせたところ、幾何学図形の「見え方」は、これら4種の間で類似していることがわかったというもの。