11月20日、東京のホテルグランドパレスで今季のセ・パ両リーグのMVPなど諸々のタイトルホルダーやベストナインの表彰式が行われた。いわばプロ野球界の優等生が一堂にステージ上で顔を揃えた。このホテルでは同日の昼間にドラフト会議が行われた。そこでステージ上の選手らがドラフトに指名された当時を思い出した。
三冠王に輝いた落合選手(ロッテ)は3位指名だった。あれだけの選手がロッテに指名されるまで他球団は見向きもしなかった。決して中央球界で無名であった訳ではない。アマチュア全日本チームの四番を務めていたにも拘らず指名されなかった。落合のようにドラフト3位指名選手はプロ入り後に好選手になるケースが多々ある。今季セ・リーグの盗塁王・高橋慶選手(広島)、ベストナインの高木豊(大洋)、21年ぶりの優勝に貢献した真弓選手(阪神)、パ・リーグの新人王・熊野選手(阪急)も全員揃って3位指名だった。日本シリーズで戦った阪神と西武の主力にも。阪神では弘田選手、北村選手、山川選手。西武は高橋投手、永射投手やトレードで中日に移籍した杉本投手や大石選手。巨人では中畑選手、角投手、宮本投手、売出し中の吉村選手など。
広島では左の先発で頭角を現し始めた高木投手や長内選手。大洋では昨季の最多勝投手の遠藤投手、田代選手。中日は昨季の本塁打王の宇野選手、大島選手、石井選手。ヤクルトは2千本安打の若松選手。パ・リーグではロッテの水上選手、庄司選手。阪急は昨季の新人王の藤田選手、弓岡選手。近鉄は今季レギュラーとなった村上選手。南海は山内孝投手、河埜選手、池之上選手。日ハムは若きエース・津野投手など多士済済。ドラフト制度は昭和40年から始まり今年で21年目だが昨年までの20年間で3位に延べ250人(昭和41年は二度開催されたが南海と近鉄は二度目のドラフト会議では3位指名は無かった)の選手が指名された。
その250人中、プロ入りしてタイトルを獲得もしくはベストナインやオールスター戦に選出されたり日本シリーズに出場した選手は40人を超える。一軍に昇格するだけでプロの世界では成功者と言えるが、それ以上のいわゆるエリート選手になる確率が16%とは目を見張る数字だ。ドラフト1位指名選手の多くは即戦力という完成された選手であるのに比べて3位指名選手は将来性で選択される場合が殆どである。いわば各球団のスカウト達の腕の見せ所とも言える。ちなみに3位指名選手だけでベストオーダーを筆者が独断と偏見の個人的意見で組んでみると
(右)真弓
(遊)高橋
(左)若松
(三)落合
(一)中畑
(中)大島
(二)高木
(捕)藤田
(投)遠藤 代打陣に宇野・吉村・長内・弘田・・・なかなか魅力的なチームである。
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