後楽園17連敗は監督の責任?
人工芝の後楽園球場でまたしても負けた。昨シーズンから勝ち星ゼロの17連敗。しかも負けたのがエース・星野投手とあってショックは大きい。「連敗ストッパー役はオレだ!今度こそ勝つ。負けたら名古屋に帰れん」と背水の陣で19日の対巨人9回戦のマウンドに上がった星野投手だったが2回裏に滅多打ちされ7失点降板。投球数はたったの45球。青ざめた顔はKOされたボクサーそのものだった。1週間前の甲子園球場で阪神相手に4安打完封した同じ投手とは思えなかった。気持ちばかり独り歩きし肝心の球のキレを欠いた。だが星野投手を責めるのは気の毒だ。もともと登板予定の初戦が雨で流れ次戦にスライド登板した。
これが普通のカードなら精神状態もそれほどでもなかったが「今度こそ巨人には負けられん」と人一倍責任感の強い星野投手にとって2日間の緊張感が如何に耐え難いものであったか。チームのペナントレースでの立ち位置、後楽園球場で昨年から勝てないなど中日を取り巻く雰囲気がさらに悪化してしまう状況に空回りしてしまった感じが強いのだ。地元名古屋の新聞社やテレビ局には試合中からファンの怒りの電話が鳴りっぱなしで応対した社員は「俺たちの責任じゃないのに何で怒られなきゃならんのだ」と愚痴った。中日OB評論家は「当然、与那嶺監督の責任だ。1日でも早く休養させない限りチームの立て直しに妙案はないですよ」と切り捨てた。
結論が出た。谷沢は常時一塁
「外野から一塁に変わって何となく落ち着かない」と当初は話していた谷沢選手。だが周囲の評判は「ライトより一塁の方が動きがいい。水を得た魚じゃないか」と " 一塁手・谷沢 " に軍配を上げる。6月26日の広島戦で不振のマーチン選手をベンチに下げ、谷沢選手が一塁に起用された。すると谷沢選手は反撃の狼煙を上げるタイムリー二塁打を含む2安打。29日の試合では通算1000本安打をマークした。「不思議なもんですねぇ。一塁だと投手に声をかける機会が増えてゲームに参加している意識が外野手の頃より強くなりました」と最初は一塁転向に戸惑っていた本人も今では肯定的だ。
打率が一時は3割を切り、昨年の首位打者が情けないと批判されていたが現在は打撃ベスト10に戻って来た。もともと谷沢選手を一塁に起用したきっかけはマーチン選手がスランプになり気分転換の意味でポジションを谷沢選手と交換し外野に戻したのが理由だった。つまりマーチン選手の調子が回復すればマーチン選手が一塁に、谷沢選手はまた外野に戻る予定だった。谷沢選手は口にこそしないが本音では「俺はマーチンのせいで一塁や外野を掛け持ちさせられたらかなわん!一塁なら一塁に固定してくれ」という無言の怒りで打棒が爆発したのだという見方はあながち間違っていないだろう。
おらが選手にファン歓喜
「中日にいて本当に良かった!」と藤波選手は心の底から振り絞ったように叫んだ。静岡・草薙球場での対大洋14回戦。終盤1点リードで登板した鈴木孝投手が打たれて5対5の同点に。9回表二死一・二塁の場面で打席には藤波選手。マウンドには新人の斎藤明投手。2球目を捉えた打球は左中間への三塁打となり勝ち越した。「どんな球だろうと、どんなコースだろうと直球一本に絞り思い切り振ることだけ考えた(藤波)」と。続く大島選手の適時打で藤波選手も生還しチームは勝利した。試合後には静岡出身の " おらがヒーロー " ・藤波選手を地元ファンが取り囲んだ。
その様子はまるで昨年末に藤波選手のトレード話が勃発した際に中日ファンが藤波選手を放出するなと球団に抗議した時さながらの大騒ぎとなった。「よかった、よかった。よく頑張った。これで球団も藤波選手の力を再認識しただろう。フルに使えばこんな活躍はいつでも出来る選手なんだよ」と地元ファンは声を大にする。藤波選手の実家は静岡市内で海鮮物商を営む。この日は店を早終いして母親・まつえさん(55歳)をはじめ親類縁者が中日ナインにスイカなどの差し入れを持参し球場で声援を送った。トレード話で暗い雰囲気だった身内の人たちに久しぶりに明るい表情が戻った。
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