才能の有る選ばれた人間だけが集まるプロ野球界ですが、全ての選手が活躍できるほど甘い世界では
なく、志半ばで球界を去る選手の方が多いのが実情です。
宮城 (ヤクルト)・・・苦手のランニングではいつも最下位。ベテランの安田や神部にも遅れをとる有様だが、ひとたびボールを
握ると一転「飛び切りの優等生(堀内コーチ)」に変身するのだ。大きな体に似合わず流れる様な華麗なフォームでキレのある
ストレートを投げる。「愛甲とは永遠のライバルでいたい。リーグは違ってもお互いの存在がずっと気になり続けると思うんです」
背番号40・契約金2千5百万円の宮城に対し、愛甲は背番号1・契約金5千万円だ。プロ入り時点での評価は愛甲の勝ちだが
宮城は胸を張ってこう言う「本当の勝負はこれからです。5年、10年先の結果で判断して下さい。必ずボクの方が上に立って
いますから見ていて下さい」 【 通算成績 25試合 0勝3敗 】
安西 (巨人)・・・公称は1㍍66㌢・63㌔ しかし実際に会って見るともっと小さく感じる。だが首脳陣の評価はすこぶる良い「空気が
目いっぱい詰まったゴムまりの様な選手」が国松2軍監督の安西評。キャンプ初日に左足首を捻挫し、不名誉なリタイア第1号と
なったものの翌日には元気に復帰。ケガを考慮して激しい運動は控えているが機敏な動きは群を抜いていて、ペッパーは早くも
「チームNo,1」の折り紙つきだ。ガッチリとした体躯で太ももの周囲は60㌢もあり、1㍍84㌢の中畑の太ももより太い。どっしりとした
下半身から生み出されるパワーでスイングも鋭く「しかも頭もクレバーで野球を良く知っている(上田コーチ)」「スイングに無理が
なくトップの位置から最短距離でバットが出てくる。パワーに加えて打撃センスも文句なし(国松監督)」と手放しだ。勿論、課題も
ある。背筋・腹筋は高校生レベルでプロの体には程遠いが体力をアップすれば間違いなく1~2年で1軍で活躍できる素材である。
マスコミの目が同級生のロッテ・愛甲に集中している間に安西がヒタヒタと追いつき・追い越そうとしている。【一軍試合出場なし】
駒崎 (西武)・・・社会人屈指の強打者で、一昨年の世界選手権大会には最年少代表選手に選出されたが過去に19歳で全日本
入りした選手はいない。駒崎は99%日通浦和に残留する筈だった。日ハムなどは「原の次に評価している」とドラフト会議の直前
までアタックを続けたが本人も会社も残留の意志が固く諦めたのだ。力強い打撃は勿論、強肩も魅力の一つである。世界選手権の
プエルトルコ戦、負けられない日本は木田(現日ハム)・中尾(現中日)のバッテリーで臨んだ試合で無死満塁の危機を救ったのが
駒崎だった。犠飛確実と思われた右翼の定位置から本塁へのダイレクト返球で走者を刺した。軽く100㍍を超す遠投力だけでなく
100㍍を11秒9の走力まで持ち合わせる選手なのだ。各球団が指名を見送った間隙を突いて西武・根本監督兼管理部長が動き
契約金5千万円・年俸480万円という1位指名選手並の条件で入団にこぎつけた。今や一軍争いレベルを超えて「七番・右翼」を
売り出し中の立花選手と争うまでになっている。 【 通算成績 174試合 打率 .244 3本塁打 】
今の若い人たちには馴染みの無い選手たちでしょうけど、プロ入り前は皆が名前を知られた存在でした。
プロ入りしても1軍で活躍できず球界を去る選手が大半ですから、この3人が特別に珍しいわけではない
ですけど。入った球団のカルチャーや首脳陣との相性など野球の技術だけではないのでしょうね・・
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