静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

航海科と機関科

2016年08月26日 16時16分18秒 | 研修・見学

はぁはぁ(息切れ)...夏休み中のブログも最終日です。
皆さんも退屈だったかも知れませんが、書いている方も切なかったです!
ご容赦ください。
でも、休日以外は毎日更新しました!

さて、2学期から始まる航海科と機関科についてです。
就職してから航海士になるか、機関士になるのかによって、それぞれの勉強をします。

まず、航海士。
いつものウィキペディアでは
「航海士(こうかいし)とは、船の現在位置確定と航海計画策定を行なう船員。」
と書かれています。でも、平たく言えば操船の責任者ですね。
当然、トップは船長です。

そして、機関士。
こちらは「機関部船舶職員として船舶に乗り組むためのに必要な資格」
とあります。なんか、わかんないですね。
業界の人は「エンジン」なんて呼んだりするようですが、エンジンなどの機関を管理する人です。トップは機関長。

船の責任者は船長なので一番偉い人は船長と思われますが、実際には船長と機関長のツートップです。
船員の上着の肩章に線があるのを見たことがあると思います。これは職位を表していますが、四条の線は船長と機関長だけです。それだけ、船の機関は重要ということです。

若い人に人気のあるのは航海士のようで、機関員は不足気味。
それもあってか、期間員の方が給料も高いようです。求人も多いです。
それと、もし船の仕事が出来なくなっても、陸上でエンジン関係などの仕事があります。
「つぶしがきく」と言うやつです。

ところが、今年の47期生は航海専攻の方が多くなりました。
生徒の希望で専攻を決めるので、偏ることもあります。
もったいないなぁ。

ところで漁船の場合、船長のさらに上がいます。
貨物船や客船は、物や人を運ぶのが仕事。
しかし、漁船は魚を捕るのが仕事です。
そこで、魚を捕る責任者「漁労長」が一番高い給料をもらいます。

さて、第47期生からは何人が漁労長、船長、機関長に育つでしょうか。

【水産学部の専攻】
大学の水産学部でも専攻(学科)に分かれます。
おおざっぱに言うと、
 漁業・・漁船や漁業の研究と、航海士の育成
 加工・・缶詰などの加工品、バイオなどの化学
 増殖・・養殖、水産資源、生物
です。最近は経済をやる水産学部も増えたようです。
水産高校も名称はともかく、同様なコースで構成されます。
一番人気のあるのが生物関係。「さかなクン」みたいな人の宝庫です。
就職に有利なのは加工です。今や、半数近くは女子学生です。
水産学部の生物では、水産上の重要生物に価値があります。
サバとかイワシとか、食料として価値のある生物です。
逆にヒトデのような生物を勉強したければ、理学部の生物学科がお勧めになります。
私のような県の水産技師職員は生物を専攻した人が半数以上です。
就職後に漁業や加工など専門外の仕事にも、勉強しながら取り組んでいます。

 

さて、写真は遠洋旋網(まきあみ)、通称「海旋(かいまき)」です。


カツオを見つけるまでは一本釣と同じなので、レーダーや見張り台があります。

カツオを見つけたら、網をぐるっとまいて捕るために、網を引っ張る小さな船を船尾に搭載しています。

一本釣のような生き餌も不要ですし、カツオの群れを一網打尽!なので効率的な漁法です。
とは言っても、網をまいている間にカツオに逃げられることもあり、簡単には行きません。

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