北広島の陶芸家松原成樹さんプロデュースによる恒例のユニークなグループ展。
昨年は「はしご」がテーマでしたが、ことしは「はこ」です。
田村陽子(札幌、織り)、西山省一(江別、ガラス)、橋本祐二(札幌、ガラス)、林玲二(札幌、ドローイング)、森迫暁夫(札幌、シルクスクリーン)、脇坂淳(長沼、木彫)の6氏が出品しています。
写真の分量が多いので、2本のエントリにわけて紹介します。
昨年も書きましたが、北広島市の美術展は
「市内在住でなければダメ」
みたいな堅苦しいことを言わないのが、良いと思います。
さて、入り口附近で、いきなり来訪者の度肝を抜くのが、西山省一さんの「古代の鳥かご」。
この会場は、札幌市内のギャラリーなどにくらべると、わりあい天井が高いためか、背の高い作品を出す人が多いですが、それにしてもでかいですね。
上部の鳥、あるいは翼竜たちは、すべてモビールになっており、バランスをとるだけでもタイヘンだったと思われます。
一方、床面に置かれた木々は、恐竜時代か、さらに以前の時代、地表を覆っていたシダ林を想起させます。
何億年もの昔をほうふつとさせる、時空を超えた意欲作です。
ところで西山さんは、エスプリのきいた中ぐらいの作品も3点出しています。
手前は「ハコロガシ」。昆虫のふん転がしみたいです。
その向こうは「ハコンドル」。コンドルのような鳥が箱を運んどるという、オヤジギャグ満載の作品です。箱が金属で重たいためか、あまり地上から浮かんでいません(←ムリを言うなって)。
奥は「ハコガネムシ」。
次は、脇坂淳さん。
曲線を生かした、どこかとぼけた感じの木工を作ります。
出品作は「Two Seed -ふたつの種-」。
そっくりおなじ形をした、卵型のかごのような作品がふたつ並んでいます。
顔を近づけてみると、内部に配された、リンパ結節のようなまるい木片には、ことばが印字された紙片が貼られています。
片方は
搾取 無責任 無関心 果てなき欲望 独占 戦争 偽る
もう片方は
お互い様 分け合う 感謝 共生 慈悲 平和
などと書かれており、白紙も一つずつありました。
どちらが作者の希望、そしてわれわれの願いであるかは一目瞭然だと思いますが、いずれにしても、種の段階では見分けがつきづらいということを示しているのかもしれません。
橋本祐二さんの作品を見るのは久しぶりです。
「内にあるもの、なにもなにも」
と題されたガラスのオブジェのインスタレーション。
ぜんぶで52個ありますが、形はそれぞれ異なります。
曲線を生かした、白いガラスの立体は、雲のように軽やかです。
(この項続く)
2009年11月20日(火)-29日(日)10:00-6:00
北広島市芸術文化ホール(北広島市中央6、北広島駅すぐ)
●はこ展ギャラリートーク=11月21日(土)午後1:00
□金属工房ガルフ http://metal-gulf.com/index.html
■ココロを造型(かたど)る 脇坂淳の木の小物展(2008年)
■橋本祐二ガラス博物誌(2002年)