北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■はこ展 (11月29日まで)=続き

2009年11月25日 21時58分00秒 | 展覧会の紹介-現代美術
承前

 会場の奥へとうつります。

 天井からつり下がっているのは、2.8メートルの紙を各面6枚、計24枚つなげて直方体にした、林玲二さんの「連画ドローイング “In a Landscape”」です。
 底部が床面から30センチほど浮いていますから、いちばん高いところは、3メートル以上あることになります。 




 支持体は、林玲二さんのトレードマークともいえる、コンピューターのプリンター用紙。両側に丸い穴が等間隔に開けられたこの用紙は、いまではすっかり見かけなくなりました。
 けっして厚い紙ではないのですが、砂のようなものを混ぜたりして、かなり物質館のある画面をつくっています。空や大地を思わせる色合いも美しく、一般的に「ドローイング」ということばから想像されるものよりも、かなり手の込んだ絵画作品といえます。


 次は、田村陽子さん「フタノナイハコ」。

 つい先日まで、JR札幌駅構内のART BOXに、足形の作品を展示していました。

 今回は、細いジャングルジムのような作品なので、写真には写しづらかったです。
 ぜひ、本物を見に行ってください。




 閉鎖的なのか、開放的なのか。
 内部にある直方体は、とらわれているのか。
 両義的な性質を持つ作品だと思います。これまた、かなりの大きさです。


 一番奥には森迫暁夫さん「コバコノコノコのハコ」。
 実は、筆者が見に行った後、1個増えて5個になったらしいのですが。



 ソファの外側に用いるビニールのような材質でつくられています。

 ドアノブがついていますが、ひらかないようです。
 ただ、小さいハコは大きなハコに入るような、入れ子構造になっています。




 それぞれのハコは、おなじシルクスクリーンの版を、インクの色だけ変えて刷っているのだと思います。ただ、前回の個展では、この柄を見た記憶がないので、新作でしょう。
 あいかわらず、かわいらしい模様がびっしりと描かれた森迫ワールドが展開されています。

 ひとくちに「はこ」といっても、作家によってさまざまなイマジネーションのつばさを広げる余地があるのだなあと、あらためて感服させられる展覧会でした。

 プロデュース役の松原成樹さんは「ボックスアートというと、ジョゼフ・コーネルを思い出すけれど、ああいうタイプではない、もっと外へ広がっていくタイプの作品をつくる人を選んでみた」という意味のことをおっしゃっていました。


2009年11月20日(火)-29日(日)10:00-6:00
北広島市芸術文化ホール(北広島市中央6、北広島駅すぐ)

第27回存在派展(2007年)
OPERA Exhibition vol.2(07年11月、林さん出品)
第26回存在派展(2006年)
第25回存在派展(2005年)
林玲二個展(04年)
第23回存在派展(2003年、画像なし)
MODERN EXISTENCE EXHIBITION No.22  第22回存在派展(2002年、画像なし)
第21回存在派展(2001年、画像なし)
富田知子・林雅治・林玲二3人展(01年)
林玲二個展(01年)

下沢トシヤ・田村陽子二人展(2006年)
田村さんの06年の個展「50名の記憶する足形」
第31回北海道抽象派作家協会展
北海道立体表現展(03年)
02年の田村さんの個展

ART! MEET! MART! (2009年11月)
森迫暁夫  何本かの木と絵展(2009年8月)
森迫暁夫個展(2008年12月)
道都大学中島ゼミ版's展@狸小路 第1週・一文字Tシャツ展(2008年7月)
第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2007年)
第42回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2006年)
道都大学中島ゼミ展 森迫さんの作品
第37回道都大学中島ゼミ展(2003年、画像なし)
花鳥風月のアンティーク・ルームと森迫暁夫の絵(2003年、画像なし)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。