線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

富山県民謡民舞大会~氷見市③

2010年11月28日 23時22分51秒 | 民謡
続いては、小矢部の願念坊踊り。
これも独特な芸能だ。願人坊主と呼ばれる芸人が歌い踊ったものだという。
唄は素朴ななかにも、江戸期の「粋さ」を感じる。都会的でもあるように聞こえる。

踊りは子どもと黒い僧衣の大人。子どものなかに、とても踊りの手の品の良い子がいた。その子は、おはやしも大きな声で掛けていた。何だか将来有望的な雰囲気!


その次は、高岡の「正調なき荷方節」。
 ♪ア~富山浄瑠璃 金沢謡 あいの高岡 なき荷方

で知られる。金沢城完成のとき、富山藩と金沢藩はそれぞれ披露したが、高岡藩は出し物がなく、泣きながら「荷方節」を歌ったのだという。
 しかし、富山には「荷方節」が結構伝承されている。「富山荷方節」「上市荷方節」「氷見荷方節」「上新川荷方節」「仁歩荷方節」「立山荷方節」「利田荷方節」等々。


続いて、福野の「夜高節」と夜高太鼓、夜高行燈。
「夜高節」を歌った方は男性であったが、高音の伸びが素晴らしかった。
太鼓と行燈の行列…本物の祭りを見たことがないが、なかなか演出がいい。


それから、越中五箇山筑子唄保存会の「こきりこ」だ。おなじみの名曲。唄も踊りも、狩衣姿を中心とした、中世の雰囲気をたたえた感じが、古風さを彷彿とさせる。


唄も結構長めに歌われたので、CDとかではあまり聴かない、
 ♪波の屋島を 逃れ来て 薪伐るちょう 深山辺に 
  烏帽子狩衣 脱ぎ捨てて 今は越路の そま刀

が聞こえてきたときは、ジ~ンとした。平家落人伝説を感じさせるこの歌詞は、「麦屋節」にも出てくるが、何とも言えない哀愁を感じるのだ。

今回の地方にはこきりこと鼓の方がいなかった。あれれ?


最後は、ご当地氷見市から「氷見網起し木遣り」。
これは本当にカッコいい。伴奏は太鼓のみ。しかし力強い歌いっぷりは、豪快そのもの。
魚の町・氷見らしい、いい曲だ。

あまりプロの方の唄は聴かないが、自分は鎌田英一さんの豪快なテイクをエアチェックしたことがある。なかなかいい曲!


以上、すべて終了したのは、5:45p.m.ころ。今年も大満足の半日であった。



さて、会場を出る。あたりは真っ暗だ。雨はあがっていたが、とにかく寒い夜だった。
今日は結局泊まることに。いきなりお願いしておいた、近くのビジネスホテルへチェックイン。

何となく氷見の町を出歩いてみたくて、チェックイン後、すぐ出てきた。
さて!せっかく氷見に来たんだから!魚!?っと思い、うろつく。すると結構面白い街並み。

暗がりの中からハットリくん像が登場したり、遅くまでやってるカマボコ屋さんがあったり。「ぎんなん餅」も気になった。もしかして上日寺と関係があるのかな?

結局、寿司屋さんに吸い込まれてしまった。
ここのところ飲んでいなかった生ビール!刺身や焼き魚をいただく。日本酒は…「曙」を期待していたが、そこには置いてなく「立山」だけ。まあ、いいか。

やはり氷見で魚食べてる雰囲気がいい。日曜日の夜ということで、人影は少なかったが、遠い街で飲んでいるこのひとときって、なかなかいいね!
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