線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

鍬ヶ崎浜唄

2013年06月07日 18時36分42秒 | 民謡
岩手県宮古市の民謡で、子どもの頃エアチェックした「鍬ヶ崎浜唄」という唄がある。調子がよくてお気に入りの曲の1つだが、今までCD等で見かけたことがあまりなかった。

最近、ネットで見つけたのが宮古市出身の小田代直子さんのCD「明日への虹」に、「鍬ヶ崎浜唄」が収録されていることに気づき、早速購入した。



○江戸じゃ吉原 南部じゃ宮古ヨードッコイショ
 宮古まさりの 鍬ヶ崎 ホッサヨイヨイ

○宮古浦びは 錨がいらぬヨードッコイショ
 三味や太鼓で 船つなぐ ホッサヨイヨイ

○沖にチラホラ 航海ランプヨードッコイショ
 あれが宮古の 岩手丸 ホッサヨイヨイ

○今年ゃよい年 陸作田作ヨードッコイショ
 浜は大漁の 旗の波 ホッサヨイヨイ

○宮古裏町の 川の水飲めばヨードッコイショ
 八十婆さまも 若くなる ホッサヨイヨイ

自分がエアチェックしたときのものとは、伴奏にややちがいがあるが、この唄、何ともお気に入りだ。
曲調は、南部地方に多い甚句系と思われる。青森側では「南部盆唄」としてレコーディングされたものと似ており、「虎丈様」系の甚句なのだろう。

鍬ヶ崎という場所は、宮古の港町である。「江戸じゃ吉原 南部じゃ宮古」という歌詞からも想像されるが、花街として栄えた場所であった。

2007年2月に、黒森神楽を見学しに岩手県大槌町の浪板海岸まで出かけたことがある。その2日目に、レンタカーで、宮古市周辺をうろついた。

宮古の港町を出かけたとき、この鍬ヶ崎の地名を見つけ、この唄を口ずさんだ!


波静かな港町だな…という印象であった。


しかし、東日本大震災による津波被害で、テレビでこの港町の様子が映ったとき、本当に衝撃的であった。長野から呑気に岩手旅行で立ち寄った宮古市。見覚えのある風景が、津波によって飲まれていく。

奇しくもこのCDは復興応援ソング「明日への虹」のタイトル。自分のお気に入りの「鍬ヶ崎浜唄」の旋律と宮古の思い出とともに、大事にしたい1枚だ。
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