永谷園シジミのカップ味噌汁
そのカップの側面を見ると「しじみ70個分」という文字が目に入る。
シジミの成分であるオルニチンとかいうものが70個分、このカップ一杯分の味噌汁の中に入っているというのだ。
それにしても「70個分」とはただごとではないな、と思いつつすすっていると急に「ん?」となった。
シジミ70個? 個? 個でいいのか。
相手はシジミだぞ、貝だぞ、生き物だぞ、ああ見えてもちゃんと息してるんだぞ。
息をしてるものを個なんぞという単位で数えてもいいものなのか。
我々は普段1個、2個と数えているものは、石ころとか消しゴムとか瓶のフタとか取るに足りないものであって、いやしくも生きているシジミに対して失礼ではないか。
我々はそれでいいにしても、シジミが気を悪くするのではないか。
個がいけないということになると、どう数えればいいのか。
粒というのはどうか。
「しじみ70粒」
粒のほうが個よりも雰囲気が多少和らぐな。
粒ならシジミも機嫌を直してくれるかもしれない。
いよいよになったら奥の手がある。
ダイヤモンドを持ち出す。
ダイヤモンドも1粒、2粒と数える。
シジミも急に上機嫌になるにちがいない。
世の中には少しヘンな人がいるが、そういうヘンなことばっかり考えてしまう昨今であります。