JR宍道駅前こわた食堂の玉子丼550円
親(鶏肉)と子(卵)が揃っているのが親子丼で、そこから何らかの事情があって親が逃げ出したのが玉子丼だ。
何らかの事情というのは、やはり貧乏以外に考えられない。
親子丼650円、玉子丼550円。
100円さえ惜しむ生活に嫌気がさして、親は子を捨てて逃げたのだ。
親に逃げられ、子供たちだけで暖簾を守っている玉子丼。
よく考えてみれば、たった100円の価値しかない親たち。
両親揃って100円だから、片親たった50円の親たち。
ロクでもない親たちである。
実際に親子丼を食べていてロクでもない親たちに出会うことが多い。
親子丼の鶏肉に美味しいものが少ない。
味にコクがなく、パサパサしていて、親子丼界にはロクでもない親たちが多いのだ。
なんせ100円の親だし。
玉子丼は卵だけで勝負している。
親子丼のときは、たとえまずくても「なんせ親がグウタラなもんで」と責任転嫁できたが、玉子丼となるとそうはいかない。
具は玉ねぎとネギだけ、あとは卵ばっかのユルユルで黄色いシアワセに浸って丼を掻っ込む。
でも玉子丼は卵丼ではなく玉子丼でよかったと思う。
卵丼だと何だかパック入りの卵を思い出し、そんなもんでカネ取られたくないなぁ~。
と思うのだが、玉子丼だとカネ払ってもいいなぁ~、という気になるのであった。