横殴りの強い雨が降っている。昨年の台風15号での交通網の混乱の教訓から、今回の強風予想に対しては厳戒態勢がひかれている。いつくるかわからない電車を待って駅が通勤客であふれかえるようなことは誰も望まない。東京のように余裕のない運行を強いられているところでは、交通機関の一箇所での罹災がすぐにいろんなところに波及して連鎖反応を起こしてしまう。
都市交通手段の高度化の一方で、自然はますます凶暴になりつつあるようだ。このように自然が猛威を振るいだすようになるとそれが人間の心理状態にも影響を与えているように思う。社会がますます非寛容さを強め、極端な拝金主義や他者を執拗かつ一方的に攻撃することが正義の実現のように受け取られる病的な社会がすぐそこに来ている。今の政治の混乱も、今後の衆愚政治も、それは選ばれた政治家の責任ではなく、選んだ有権者の責任(自己責任)である。自然も人間も同じように極端な方向に動いている。
自然災害について印象的なのは、普段、自然を無批判に賛美する一部の人々の反応だ。このような人々は、自分自身は被害の及ばない安全な場所に身を置き、他人事のような立場から論評する。たとえば、自然であるがゆえにもたらされたさまざまな惨禍も、それらはすべて人為的現象であるという論理を展開するのである。従来、このような論理のすり替えを「官僚的」と称したが、いまや自称環境保護運動家ほどこの手法を駆使している集団はいない。
ヒナギクの花が代替わりした。嵐の前の静けさとも言うべき今朝の陽の光を受けた一枚。
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