フランスの小説にはイボタノキの生垣に囲まれた別荘がよく登場する。この白い花は秋の金木犀のように強い香りを放つ。剪定のタイミングが良かったのだろうか、今年は例年になくたくさんの花をつけている。夕方、家の門の前に出てみたら風のないせいか、生垣にしてあるイボタノキが香り立っていた。よく見ると蜂がそこかしこで蜜を吸っている。この香りを思えばイボタノキの蜂蜜というのも趣きがあるかも知れない。小さな花はもう散り始めていて、生垣に沿った歩道は雪でも降ったかのように白くなっている。
庭の一部をブドウ畑にしているがブラックベリーを入り口に設置したアーチのそばに植えたのが3年ほど前。今はアーチを覆い尽くすほどにまで成長したが、花はとても控えめ。かつてロンドンのリッチモンド公園で見たブラックベリーの木は小山のような大きさだった。今はまだ小さいがこの木もいずれは大きくなるのだろうか。
このところ撮り溜めたバラの写真を。玄関の階段横に植えはじめたのが3年前。今年の北海道は、雪解けは早かったものの5月の天候不順がたたって咲き始めたのは結局例年よりすこし遅れてしまった。やっと初夏らしい陽気が続いたので一気に開花。写真では赤いバラが多いように見えるが、実際には白バラが過半数。どちらかといえば、素人には白バラのほうが失敗しないようだ。たとえば赤いバラの定番、パパメイアン2株あったのだがはいずれも枯らしてしまった。
ニューヨーク州のクリントン刑務所から殺人罪で服役していた凶悪犯2名が脱獄し、以前逃亡中だという。今回は刑務所の女性職員が手助けしたということだが、壁を打ち抜いて脱獄するという手口はまるでアレクサンドル・デュマの小説モンテ・クリスト伯ことエドモン・ダンテスの脱獄と瓜二つだ。もっとも、脱獄者として無実のダンテスと、危険極まりない犯罪者のこの二人では全く異なるが。
囚人が牢獄の壁を打ち抜いて脱獄するというのは、他の小説でも見られる(たとえばバルザックの短編小説ファチーノ・カーネなど)から古典的なストーリーであり、かつ、世間の興味を引き付ける英雄譚の例と言えなくもない。
今回、どんな動機で女性職員は脱獄を手助けしたのだろうか?殺人犯罪者のもつ魔性に魅了されたのか。いつになっても人間の本性は変わらないものだ。
朝日新聞らしい記事と改めて感心したのは「山崎拓・元自民幹事長ら4人、安保法案に反対表明」なる今日のデジタル版記事。
その凄まじい猟色ゆえに下品な表現ながら「エロ拓」と言われた御仁をはじめ、とんでもない日和見でムーミンの名を汚した武村正義。それに藤井裕久と亀井静香というまさに懲りない面々が安保法案は違憲だという声明を出したという記事だ。
日本経済を泥沼の不況に陥れた武村や、郵政政局で売名のみに生きがいを見出していた亀井のような輩の発言を後生大事に報道するのにどんな意味があるのだろう。怖いもの見たさに付け込んで次に田中真紀子あたりの世迷言を記事にするつもりなのだろうか。従軍慰安婦の捏造報道以来、ますます醜悪になってゆく朝日新聞。