9月も中旬に入ったというのに東京の久しぶりの青空はまだ夏の熱気をはらんでいるようだ。明日は911、16年前のテロ事件が思い出される。13年前にNYを後にしてからこれまで一度も足を踏み入れたことの無いグランド・ゼロ。もともとは原水爆の爆心地を指したこの言葉は、北朝鮮が核爆弾を玩ぶようになって、また蘇ってくるのかもしれない。
昨日は東京駅近くで一年ぶりの健康診断。これまでと大きく変わったことはない、というとりあえずの所見だったが、肺に白い影らしきものが認められる、これが単なる映像の問題なのかはこれから慎重に確認してみると。肺に何かが移っていると医者はまずは肺がんを疑うようだ。みたところかすかなものであり、深刻なものとは思われない。ただ叔父、叔母が昨年末から相次いで胃がんと肺がんを発症しているから、気にはなる。
昼頃、環状八号線沿いを歩いていたらイボタの生け垣に白い花が咲いて、かすかに香っていた。こんなに交通量の多いところで白い可憐な花を咲かせるとは、植物の生命力の強さを感じさせる。先日からエミール・ゾラの「ジェルミナール」を読み始めた。久しぶりの旧字体の文庫本だが、すぐに慣れ、むしろ趣があって昭和29年の初版の時代に引き戻されるようだ。この岩波文庫版、62年経ってまだ第6版と、決してベストセラーとは言えないだろう。読み始めたばかりだが楽しめそうな長編だ。