回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

英国からの訃報

2015年09月27日 16時30分25秒 | 日記

普段クリスマスカードのやり取りしかないロンドンの知人から突然の手紙。不審に思い、なにか不吉な予感がした。手紙の書きだしは本人及び家族の無事なこととこちらへの消息伺いという定型のものだったが、その後でロンドン駐在時に親しくしていた隣家の不幸の連絡。たぶん70歳前後になると思われるが、隣家の夫人がすい臓がんで5月末に逝去したと。急速に病気が進行して、数週間のうちに帰らぬ人になったという。たしかにすい臓がんは発見しずらく、また進行の速いがんだが、こんなにはやく亡くなるとは思ってもいなかっただろうと思う。数年前、主人が勤めていた大手石油会社を停年退職してロンドンから小一時間ばかりのGuildfordにそれまでよりは一回り小さな家に引っ越したという連絡があって訪ねたことがある。小ぶりの庭はきれいに手入れがされていて、このくらいの大きさが歳をとった今はちょうどいい、と言っていた。主人はどちらかというと寡黙で、夫人がおしゃべり好き、クッキーを主人が出してくれたものだ。あの快活な連れ合いに先立たれて、主人もさぞかし気落ちしていることだろう。英国の気さくで勤勉な慎ましやかな家庭の典型のように思われたあの夫婦。一男一女の子供も独立し、孫を楽しみにしていた夫人ともう二度と会うことができないと思うと寂しい。

ご主人は悲しみを乗り越えたとこの知人は伝えてきてくれた。たぶん、主人がこのことをこちらには伝えていないだろうとわざわざ連絡してくれたのだ。外国人の自分にも、こんな細やかな気配りのできる英国人の良さが伝わってきた。お礼の手紙を知人に出し、次回ロンドン訪問時にはもしまだ住んでいるのならあの静かなGuildfordの自宅を訪ねてみようと思う。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉祥寺にて

2015年09月13日 20時41分38秒 | 日記

今週末は日本各地で神社の秋祭りが行われていると思う。吉祥寺に向かう五日市街道沿いだけでも4社ほどが神輿を繰り出していた。不思議なことに、道路自体はさほど渋滞しておらず、また、吉祥寺の人混みもいつもの週末とは変わっていない。日本古来の神社の秋祭りと都内有数の繁華街の賑わいが自然に両立しているのは興味深い。二か月に一度くらいの頻度で気の措けないチェリナード沿いのイタリアレストランで食事をするのだが、今日はどちらかというと客の入りが悪いとぼやくオーナー。しかし食事中に次々と客が現れてこちらも一安心(?)。

やはり円安のせいなのだろうか、アーケード街をそぞろ歩く外国人観光客の姿が目に付いた。日本はこれからますます観光大国になってゆくのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

911から14年

2015年09月12日 10時45分45秒 | 日記

今日の早朝の地震には一瞬驚かされたが、杉並での実感は震度3程度、縦揺れと横揺れが同時に到来した、短時間のしかし力強い揺れだった。建物が巨人に握りこまれて振り回されるよう感覚はどうしても4年半前の震災を思い出させるが、自分としてはむしろ14年前の911同時多発テロの記憶が蘇ってきた。現地NYでは追悼行事が幾つも行われたようだ。WTCの跡地は完全に整備されているし、新たな高層ビルも完成して911は既に歴史の一部であって同時代の事件ではなくなっている。一般的に言って、よほど記憶の良い人間以外いまや20歳未満にとっては実際の体験とは言えないないだろう。

NHK BSが中継しているブルージェイズとの試合にヤンキーススタジアムの集まった観衆のうちいったいどれだけが911を思い出しているのだろうか。

21世紀の初頭のこの事件は、この世紀が宗教をめぐる血なまぐさいものになることを予感させたが、現在のISや中東の情勢を見るにつけ残念ながらこの予測が当たっていると言わざるを得ない。21世紀はまだ85年も残っているがこれから何が起きるのだろうか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする