展示を予定していた絵の一部が未着となる異例の展覧会となった札幌でのカラヴァッジョ展。9月27日にいちど訪れたのだが、今回の(未着という事態)経緯に鑑み、再度の入場が認められたので、雲一つない秋晴れとなった今日、北海道立近代美術館に、こんどはカラヴァッジョの絵だけを観ようと行ってみた。あと5日間となったこの展覧会は、平日の昼過ぎにもかかわらず入り口付近には行列ができていた。しかし、そこを過ぎるとゆっくりと鑑賞できる余裕があった。ただ、最終日を迎える明後日からの連休では相当混雑するだろうことは十分想像できた。こうして改めて展示されている絵をみると、いかにカラヴァッジョの絵が抜きんでているのかがよく分る。そもそも、絵の輝きが他の、いわゆるカラヴァッジョ派の画家のそれとは全く違う。奇跡の天才画家、という、いささか陳腐な表現もここでは許されそうだった。
どれも素晴らしいが、特に気に入った、パンフレットの「病めるバッカス」と画集の表紙にある「リュート弾き」を。