言葉巧みにキャッシュカードやクレジットカードを詐取する詐欺犯罪は洋の東西を問わない。日本と同様、英国でも犯人グループは、クレジットカード会社、銀行などの担当者を二役、三役を演じ分けており、日本で警察や弁護士、会社の上司などの配役でだますのは同じだ。
ただ、被害者救済の立場から見ると、日本と大きく異なっているのは銀行の対応だろう。今回英国で報道された事案の場合、10日後には、銀行は補償に応じている点だ。一方、この手の犯罪に巻き込まれると、以降、被害者は銀行口座やクレジットカードでブラックリストに載せられて日常生活不自由この上ないことになる。
今回の被害者は、老人や世事に疎い人物ではなく、むしろ、ITにも強く、一般的にはビジネスのセンスも持ち合わせている。それにもかかわらず、自分で銀行に確認するという基本動作を怠ったために巻き込まれてしまった。油断と言うべきか、やはり、何事も自分の目で、耳で確認してからキャッシュカードやクレジットカード、暗証番号を渡すべきだ、と言うより、そもそもキャッシュカード・クレジットカードの回収や暗証番号の照会など、電話やメールなどで依頼してくることは絶対にない、という事を改めて頭に叩き込んでおくことの重要性を示唆している。