考古学に興味があるのでロンドン滞在中に必ず一度はThe British Museumを訪れることにしている。The Cityでの用が済んだ先日、地下鉄を乗り継で午後の博物館へ。入場料は無料にして、入り口に設置してあるプラスチックボックスに5ポンドの寄付を募るという方式だが、コインはともかく、5ポンド札など見当たらず。むしろ、無料にして入館者を増やす、敷居を低くして入館し易くするこの方式は、結果としてより館内での図書や土産物の販売につなげようという大変スマートな戦略だし、たとえば経済的に余裕のない学生や年金生活者にとってはなかなかに魅力のあるやりかただ。
ところで荒廃の一途を辿っていたギリシャのパルテノン神殿を駐オスマントルコ英大使エルギン伯爵が調査および保存の許可をオスマントルコ政府から取得し(19世紀当時時ギリシャはトルコに一部)、その保存のためとして英国へ輸送された神殿彫刻物が一か所にまとめられている(Parthenon Marbles)。この英国大使、英国に帰国の途中でフランスにとらえられしばらく留め置かれたり、訴訟沙汰や離婚など、波乱万丈の人生を送っている人物だが、200年以上たってもその蒐集したギリシャ彫刻は色褪せていない。なお、このパルテノン神殿の遺品群についてはギリシャ側から返還請求がなされ(英国は当然拒否)、また、移送の間に彫刻群が多大な損害を受けたとしてこの蒐集を否定的に見る向きも勿論ある。
時間が少しあったので、古代エジプトのミイラ部門にも。
。



。