薄熙来が党籍剥奪⇒刑事被告人として有罪に、という処分は、太子党での習近平の完全な勝利を意味する。いくら胡錦濤が影響力を残したといっても、一旦国家主席を辞任すればその影響力は見る間に低下する。
興味を引くのは薄熙来の罪状。収賄や女性関係などは党幹部であれば全員該当するし、自己保身のため、毛沢東回帰を叫ぶのはいくらでもいるので例外ではない。農村部での毛神話はまだ健在である。
奇妙なのは、共産党上層部が、今回の薄熙来処分で完全に腐敗している党幹部にたいする国民の不満をそらすことが出来ると本当に考えているらしいところである。なぜなら、これほど滑稽な話はそう出くわすことはないが、ワシントンポスト紙によれば一部党幹部が今回の薄熙来処分を「党の自浄作用の表れ」という趣旨のコメントをしたらしい。まるで泥棒集団が仲間の一人を私刑にして、自分たちは正業に就いている、と言っているようなものだ。もっともこのような国民感情を逆なでする言辞が、結果として中国の民主化を促すのであればそれも良いのではないか。大江健三郎氏も間接的ながら中国民主化の活動を支持しているらしいので。
薄熙来の自信に満ちた顔、仕立ての良い背広、センスの良い上質のネクタイ姿を再び見ることはできない。
パパメイアンがまだ強い香りを放っているが、芳純の蕾も膨らんできたので。