一時期、仕事で毎月のようにタイに出張していた時期があった。その頃は円高ということもあって彼我の物価の差を強く感じたものだが、つい最近、為替相場を確認してみたらその頃(2010年頃)から2割近くも円が安くなっている。タイから見ればそれだけバーツが強くなったのだから、日本を訪れるタイ人観光客が増えるのも当然だ。そんな中で、旧知のタイ人から、日本のメロン農家を訪問したいので紹介してくれないかという依頼が来た。聞けば、2年ほど前からタイでメロンの栽培を始めたのだが、味や外見の素晴らしい日本のメロンの栽培技術を見学したいというのだ。温かいタイのことだから、3か月ごとに収穫できるという。
考えてみれば、これからの日本の強みの一つは最高品質の食品なのだろう。少子高齢化の日本では、国内だけを考えていたらいずれ立ち行かなくなる。他国に圧倒的な優位性を持っている今こそ、海外市場の開拓をすべきだ。もはや、自動車やエレクトロニクスは途上国と差がなくなってしまっているからだ。
今回の依頼、タイの知人のためというよりも少しでも日本農業の役に立てることができれば、と可能な限り支援してやりたいと思っている。