去年と同じ日に庭の藤が満開になった。一匹の蜂が蜜を求めて気ぜわしく花を巡っている。昨夜の雨のせいか一層新鮮な香り。
この藤は去年5月24日のこのブログに掲載したのと同じ木。その際思い出した高校時代の級友は卒業時には大学進学が殆どだったその高校での数少ない就職希望だった。経済的な理由なのかどうか、就職を希望した理由はわからない。地元の金融機関に就職したが、その後、一度も顔を見たことはない。ただ、同窓会名簿には苗字が変わって掲載されていたから結婚したのだろう。内容は記憶にないが、短い間、放課後の図書館で一緒になる機会が何度かあり、話をしたことがあった。色白で高校生にしては大人びた、少し思いつめたようなまなざしが印象的だった。流れ落ちる滝のような藤の花は、そのかすかな香りとともにいろいろな記憶を呼び戻してくれる。