フランスのSapin雇用相が現地月曜のラジオインタビューのなかで「フランスは完全に破産状態にある」と発言してフランス国内特にビジネス界で大変な物議を醸している。もちろん、財政担当の財務相は「不適切な発言で、フランスの財政に全く問題はない」としてただちにこれを否定しているが、Holland大統領が、財政引き締めおよび増税で財政再建を図ろうとしている中で、身内から物騒な発言が飛び出し、大困惑しているようだ。
増税に反対して、芸能人がロシアに移住した話はつとに有名だが、サルコジ前大統領までが夫人ともども、「経済的理由」でイギリスに移住するという噂もあるくらいだ。イギリスのキャメロン首相はフランス人富裕層のイギリス移住に「赤じゅうたんを敷いて歓迎する」と言っている。
Sapin雇用相の発言の真意は定かではない。自分の所管省庁から何か突き上げがあったのか、単なる個人の信条を述べたのか、いずれにしても、ユーロが落ち着きを取り戻し始めたところであり、このいわば場外乱闘のような発言がどの程度衝撃を与えるのかはまだわからない。
ところで、Sapinとはクリスマスに飾られる「もみ」の木のことである。この木は寒さには強いが、夏の暑さや乾燥には弱く、枯れやすい。特に温暖な地域では育てるのが大変な木でもある。