回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

フランスが破産?

2013年01月31日 11時27分22秒 | 日記

フランスのSapin雇用相が現地月曜のラジオインタビューのなかで「フランスは完全に破産状態にある」と発言してフランス国内特にビジネス界で大変な物議を醸している。もちろん、財政担当の財務相は「不適切な発言で、フランスの財政に全く問題はない」としてただちにこれを否定しているが、Holland大統領が、財政引き締めおよび増税で財政再建を図ろうとしている中で、身内から物騒な発言が飛び出し、大困惑しているようだ。

増税に反対して、芸能人がロシアに移住した話はつとに有名だが、サルコジ前大統領までが夫人ともども、「経済的理由」でイギリスに移住するという噂もあるくらいだ。イギリスのキャメロン首相はフランス人富裕層のイギリス移住に「赤じゅうたんを敷いて歓迎する」と言っている。

Sapin雇用相の発言の真意は定かではない。自分の所管省庁から何か突き上げがあったのか、単なる個人の信条を述べたのか、いずれにしても、ユーロが落ち着きを取り戻し始めたところであり、このいわば場外乱闘のような発言がどの程度衝撃を与えるのかはまだわからない。

ところで、Sapinとはクリスマスに飾られる「もみ」の木のことである。この木は寒さには強いが、夏の暑さや乾燥には弱く、枯れやすい。特に温暖な地域では育てるのが大変な木でもある。

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風力発電塔倒壊

2013年01月31日 07時47分56秒 | 日記

イギリス・デボン州に3年前に建設された風力発電設備が強風のために倒壊した。35メートルの高さ、建設費25万ポンド(約3500万円)のこの発電設備は、25年の耐用年数という触れ込みであったが、3年ももたずに根元から折れて地上に横倒しになった。

風力発電は自然エネルギーを利用した、環境に優しいというイメージの反面、騒音(特に低周波音)による人体や家畜に対する健康被害や、天候に与える悪影響、さらには醜悪な容姿からその土地の景観に与える影響などが指摘されてきたが、今回は、施設そのもの安全性に疑問が投げかけられることになった。たまたま、今回の倒壊では住民や関係者に被害はなかったが、一歩間違えばそうなる可能性もあった。設置した電力会社および発電設備製造会社はこれから原因を究明することになるが、風の力で発電する風力発電が、強風で倒壊したというのでは洒落にならない。

もともと、風力を利用する風車は内燃機関や原子力が出現する前に、水力を利用した水車とともに、人類が手に入れたEnergy, Powerであった。そのことから考えると、最近の風力発電ブームも先祖がえりに過ぎないのだが、それを最近の産業技術で化粧してみたというのが実情だろう。なんでも復古調になってきてかつての風車の時代を懐かしむ風潮が強いのが最近の世界的な傾向と言える。

このような事故が起きると、さっそく日本でも風力発電設備の強度など、安全性に対するチェックが行われるのではないか。その結果、たとえば、活断層の上にあるから、耐震性に問題があるから、などと言う理由で廃棄される風力発電設備も出てくるだろう。こういったリスクを考えると、風力発電設備は、最終的には、人里離れた洋上にのみ設置されるようになるのではないか。もっともそうなうとクジラに悪影響を与えるという事でシーシェパードが見逃すはずもないが。

 

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暴力監督・体罰について

2013年01月30日 15時57分42秒 | 日記

愚かしくもおぞましい話だが、このところいたるところで運動選手に対する監督などの体罰の例が報じられている。昨日からは、女子柔道連盟での監督による体罰が、選手の直訴によって明らかになった。

日本ほど人の命を重んじる国はないのに、このような暴力はどうして許されてきたのか。特に理解に苦しむのは、柔道連盟の場合、暴行した本人の謝罪によって解任もせず続投させるというとんでもない幕引きをしようとしていることである。そのような対応をするのなら、選手は監督を刑事告訴するしかない。つまり、監督たるもの、一度でも暴力をふるったら即失格である。歴史が示しているように、暴力を行使するような人間はいつまでたっても変わらない。ただ陰湿になるだけである。柔道連盟に正気が残っているのであれば、くだんの監督はただちに解任し、暴力を行使しない新しい監督を選任すべきである。柔道連盟には自薦他薦をふくめ、いくらでも人材はいる。

たまたまロンドンオリンピックで松本薫選手がルーマニアの選手を破って見事金メダルを獲得するという快挙に遭遇した。初めて掲揚された日本国旗と国歌の吹奏に松本選手のたゆまぬ努力を思って胸がいっぱいになった。同人が今回の直訴に参加しているかどうかは知らないが、あれほどの選手がいながら、その裏で暴力を振るう監督がいたとは、やりきれないでは済まない憤りを感じる。それにしても、人権が売り物の日本の新聞はこんな暴力監督の存在をなぜ隠蔽してきたのか、この新聞の体質のほうが深刻な問題である。

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アレッポの虐殺

2013年01月30日 10時08分20秒 | 日記

昨日シリアのアレッポを流れる川で至近距離から頭部を銃撃された死体が79体発見され、さらに多数の死体が放置されている。このような規模で無抵抗の殺戮が行われたのは、この2年半のシリア内戦でも最悪のもの。多くが、反政府軍の占領している地域から身分証明書の発給を求めて政府軍の支配する地域に入ったまま帰らなかった若者のようだ。政府軍側は責任を認めていないが地元の住民は政府軍支配地域に入る際に政府側民兵組織が設置した検問所に責任があると非難している。

ダボスでは、ロシアのメドベーチェフ首相が、アサド政権を見放すような発言をして注目された。しかし、依然としてこの内戦の終結は見えて来ない。イランがどこまで支援し続けるのか。

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レ・ミゼラブル

2013年01月29日 14時50分07秒 | 日記

映画の大ヒットもあってヴィクトル・ユゴーの世界的な名作レ・ミゼラブルが今ブームになっている。ミュージカルの世界ではたぶん歴史上最も成功したものの一つだろう。ポスターでは庭掃除の場面でのコゼットの顔がその象徴となっている。

そんなところで、ミュージカルが上演されはじめた少し後の1987年に発刊された鹿島茂著「「レ・ミゼラブル」百六景」が先日文春文庫から新装版として刊行されたので読んでみた。この本自体は挿絵をふんだんに盛り込んだ、いかにも肩の凝らないエンターテインメントであるけれども、それでも、改めて、この大河小説のもつ壮大なスケール、時代を映す構成、現代のフランスに対する精神的な影響などに思いを馳せるきっかけにはなった。

思えばこの本が単行本として発刊された当時、日本はバブル経済の真っただ中にあり、地価も株価も今から見ればとてつもなく高騰していた。日本がまだ将来について希望的な雰囲気にある中、「ミゼラブル(悲惨な人達)」というようなことは遠い国の遠い過去のことであり、実感を持っては想像できなかったのではないだろうか。それが今、日本も世界もかつてない格差社会になり、特に日本では生活保護世帯が史上最高を更新しているなかで、この世の中に生まれながらにして「悲惨な人達」が増えているのではないかと思うと、この小説の読み方もまたおのずから変わってくる。もちろん、ユゴーのこの小説は愛と寛容と理想主義の中に終結してはいるが。

かつてアンドレ・パスカル通りにあるOECD本部に呼ばれて毎週のようにパリに出張したことがある。その時定宿としていたホテルは凱旋門から伸びるヴィクトル・ユゴー通り102番地に在った。さすがは国葬でパリのパンテオンに葬られた人物、パリの主要道路の一つにその名前が残るとは、いかにユゴーがフランスにとって一作家を超えた国家的シンボルだったのかを改めて実感したものだ。

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