回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

年金をめぐる話

2015年02月26日 19時27分29秒 | 日記

週刊誌でも新聞でも、年金をテーマにする記事はよく読まれるということになっている。書店に立ち寄ったところでいくつかの記事を読んでみたら、明らかに読者を誤った方向に誘導するようなもので溢れていた。特に悪質なのは、年金収入では生活できない、困窮したら生活保護がある、というものだ。もちろん、やむを得ない理由で生活保護を受けるのは当然としても、年金だけでは生活できなければ、という前提が問題だ。もとより、基礎年金(国民年金)で生活ができることは想定していない。これはあくまで補完的なものであって、老後の生活の基本は自助努力であることは言うまでもない。その証拠に、一部の産油国などは例外として、どの先進国でも公的年金だけで生活できるようにはなっていない。そのことは米国でも、英国でも同じだ。世代間の相互扶助である年金と社会のセーフテイ・ネットとしての生活保護などの税を前提にした社会保障を同列視するようなこのような記事はいつまで氾濫し続けるのだろう。

自分は定期的に会う友人グループをいくつか持っているが、すべてのグループに共通していることがある。それは、年金、介護、持病を話題にしない、ということだ。これらの話題は参加者を思考停止にする。少なくとも、なんら創造的なものをもたらすことはないからだ。

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英国政治家の驕慢

2015年02月25日 13時53分57秒 | 日記

中国企業に扮したおとりインタビューでの発言で英国の前国防相、外相を務めたマルコム・リフキンド卿が政界引退を表明した。このおとりインタビューで、一時は保守党のエースとも言われた68歳の政治家は自分の個人的ネットワークを誇示した上で、見込まれる報酬額を臆面もなく発言するとともに、いかにも物欲しげな言い方を繰り返して(時間が有り余っている、自分は自営業者のようなもの、といった)見苦しいことこの上ない。さすがに首相官邸も国会の委員長職および政界引退を迫らざるを得なかった。

保守党政権下で幾多の大臣職を歴任し、貴族の称号まで得た老獪な男も、カネに対する執着心を抑えることができなかったわけで、いまさらながら人間の業のようなものを感じる。そういえば、一時は清廉な政治家のイメージのあったブレア元首相もカネの匂いに敏感な金満体質に変貌してしまった。元首相のこういう姿を見せつけられたら、リフキンド程度の人間は歯止めをなくしてしまうのだろう。実際に不正をしたわけではないが、政治家としての矜持を完璧に失ったマルコム卿を見るのはいかにも忍びない。議員辞職後は誰憚ることもなく報酬を受け取れるということで本人はすっきりした表情のようだが。

 

http://www.telegraph.co.uk/news/politics/conservative/11433387/Sir-Malcolm-Rifkind-boasted-about-high-level-defence-and-nuclear-contacts.html

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泣く子とギリシャには勝てない?

2015年02月24日 19時16分30秒 | 日記

ギリシャの無理が通る不思議なユーロ圏。ドイツの真意はどこにあるのだろうか?

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HSBCの醜聞

2015年02月23日 19時29分35秒 | 日記

かつてロンドンの金融街シテイーの中心部、イングランド銀行の向かいの重厚な建物にあったのがイギリス最大の銀行ミッドランドだった。このミッドランド銀行は金融再編の中で、植民地金融を専門としていた香港上海銀行に買収され、その名前さえも消えてしまう事になった。植民地に君臨した銀行らしく、あくまで傲慢かつ傍若無人な香港上海銀行だが、その強面のイメージを消すべく、ミッドランド買収を機にイギリスの銀行となり、かつ対外呼称をHSBCに変えた。このHSBC,今までイギリス最大の銀行としてわが世の春を謳歌してきたが、ここにきて、為替相場の不正操縦に加え、スイス子会社におけるかつての秘密口座の存在が暴露され、さらにスチュアート・ガリバー頭取が1998年からこの秘密口座を開設しボーナス500万ポンド(約9億円)を預けていたことが発覚した。ガリバー頭取は長く香港上海銀行の香港に勤務し、現在も居住地を香港にしてその税務上の問題はないとしているが、イギリス最大の銀行の頭取が巨額の資金を悪名高いスイスの秘密口座に保有していた、というだけですでに倫理上の問題は免れない。今後の身の処し方に注目したいところ。おりしもHSBCの純利益は急降下(17%)しており、つれて株価も23日6%と大幅に下落している。

大英帝国の尖兵として居住環境の劣悪な新興国に勤務し、一旗揚げるという気概はそれなりに首肯できるところであるが、実際には勤務地では現地の職員を見下し、醜悪なほどに傲岸な英国人の多いことも事実。その典型が香港上海銀行だった。今回の事件でこのような「植民地に君臨する宗主国」といったゆがんだ精神構造がいくらかでも改善されるのだろうか。

 

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タイ出張の話

2015年02月22日 19時03分39秒 | 日記

かつての同僚がタイの市場調査のために出張するとの連絡があった。ビザ要件が緩和されてタイからの観光客が急増している中で、日本からの、特に消費財の輸出についての市場調査ということ。

訪日観光客がタイに帰国後、日本で手にした産品を現地でも購入するようになれば、観光が一過性のものにとどまることはなくなるので、双方にとって有益なことだろう。たとえいかに日本が魅力的と言ってもそう何度も観光旅行に来ることは難しいからだ。その点では今は時機を得たと言える。

山田長政以来、日本とタイの結びつきは長くかつ友好的であるが、一方で現在のタイの主要産業を支配しているのは華僑。地縁・血縁を通じた中国の影響は強く、日本は決して慢心はできない。日本としてはタイの市場動向を正確に把握していつも一歩先の手を打っていかなければならない。

この同僚は最近までマレーシアやインドネシアといったイスラム圏の市場調査を主に手掛けてきたが、今度は日本とより嗜好の近いタイに手を伸ばしたようだ。タイで活動している友人の何人かを紹介するなど、何か手助けしたいと思っている。

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