回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

また英国からの訃報

2015年11月06日 17時05分36秒 | 日記

一体どういうことなのだろうと思う。またロンドンから訃報が届いた。

ロンドンに在住する日本人で30年来の友人が10月に亡くなったという連絡が奥様から入った。4年半ほど前に大腸がんを発症し、一度は完治したということだったが、その後肺に転移していることが判明、手術と抗がん剤治療を受けていた。昨年暮れにロンドン郊外の自宅を訪問したときにはご本人の手作りのケーキをご馳走になった。抗がん剤治療の副作用による苦痛にもかかわらず明るく振る舞っておられた。そして奥様の運転する車でわざわざウインブルドンの拙宅まで送り届けていただいたことを昨日のことのように思い出す。

そういえば3年前のロンドンオリンピックの際英国を訪れた際にもご自宅に伺った。その時は大腸がんが完治し、ボランテイアでスクールバスの運転をしているほど元気だった。よく手入れされた庭の芝生の上におかれたガーデンチェアで、降り注ぐ夏の太陽の下お茶を飲んだのだが、明るい日差しが彼の顔を輝かせていた。その時には、そんな彼が3年後に闘病の末にこの世を去ることになろうとは夢にも思わなかった。

日本の最有力の船会社に就職、ロンドンに転勤となりそこで総合商社の秘書をしていた奥様と巡り合い爾来ロンドンから離れることはなかった。一粒種の娘さんはオックスフォード大学を卒業後、ロンドン市内で世界的に有名な科学雑誌の編集員として活躍されている。

たまたまかつて住んでいた自宅が近所だったことから親しいお付き合いをさせていただき、自分がロンドンを離れた後は家の面倒を何彼となく見ていただいた。ウインブルドンにはご当人も貸家を持っておられたということでこちらの勝手なお願いを嫌な顔一つせず、いつも快く引き受けてくださった。

奥様のご悲嘆は想像して余りある。今月末に所用でロンドンに行くのだがかけるべき言葉も見つからない。

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