回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

読書

2025年01月12日 14時13分33秒 | 日記

読万巻書・行万里路。

読書によって時間を超えて、旅によって空間を超えて。最近読んだのは木村凌二の「地中海の歴史4 辺境の王朝と英雄」。アレクサンドロス大王の東征を主題とするこの巻は、ギリシャ文明と中東(オリエント)文明を俯瞰的にとらえる、読みやすい入門書としても最適と思われる。アレクサンドロス大王の東征については、オリバー・ストーン監督、コリン・ファレルがアレクサンドロス大王を、アンジェリーナ・ジョリーがその母親役を演じた2005年日本公開のアメリカ映画「アレキサンダー」を吉祥寺の映画館で見たことを思い出した。

なお、アラビア語圏ではアレクサンドロスが「イスカンダル」と呼ばれている。この名前がロシアのミサイルに付けられたり、「宇宙戦艦ヤマト」の架空の惑星名だったりと、思わぬところにもつけられていて現代でもこの大王の偉大さ?がうかがえる。

ところでガルシア=マルケスの「百年の孤独」(新潮文庫)をようやく読み終えた。隙間のような時間を見つけては読み継いでいたのでこんなに長くかかってしまった。読後の感想は、「こんな小説があったのか!」という驚き。これまでラテンアメリカの文学をしっかり読んだことはなかったのだが、その大胆なストーリー展開と文体には圧倒された。誰かにこの本のことを尋ねられたら迷うことなく一読を勧めるだろう。

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百年の孤独

2024年11月19日 15時09分21秒 | 日記

1982年ノーベル文学賞受賞者ということでガブリエル・ガルシア=マルケスという名前は何となく記憶にあった。世界的なこのベストセラーがこのたび新潮文庫になって手の届くところになったので読み始めた。こういう外国の長編小説にありがちなのだが、登場人物の関係が複雑でかつ名前を覚えるのが大変、時として話の筋を見失うようなことがある。幸いこの文庫版は親切にも巻頭に「家系図」が載せられていて、少し不安になったらこの図を参照すればよい。

この本が出版されたのは1967年、日本語訳が1972年というから、その頃の自分にはとても読めるものではなかったと思う。久しぶりの長編小説で、625ページのうち休み休み読んでいてまだ150ページにやっとたどりついたところ。秋(冬?)の夜長にじっくり読むには最適で、しばらくは楽しめそうだ。

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寄稿依頼

2024年11月18日 15時03分49秒 | 日記

人嫌いというわけではないが、あまり濃密な人間関係は苦手なほうで、気が付いてみればいま参加している組織・団体はそれほど多くない。そんななかでかつて働いていた会社のOB会から会員誌への寄稿の話が来た。たまたま同期入社が編集委員長をしていて、どうもこの同期からの原稿が集まらないらしい。その前後の期からは原稿が多数寄せられているのに、編集長の期の原稿が見当たらいというのでは面目が立たないのだろう。

むげに断るのも気が引けて、まずここ数年の会員誌を読み返してみた。OB会の会員誌だから、それぞれ3~5ページ・8000字ほどの分量で、まずは現役時代の逸話めいたもの、今の役職や仕事ぶり、そして趣味・研究の紹介など。それに詩歌、エッセイ等自由・多岐にわたっている。退職してから打ち込んでいる仕事や趣味のなかには素人離れしたものも多く、OBはこんなに多士済々だったのかと驚くものもある。この会員誌はまた、学士會の学士會会報にもよく似ている(構成員がかなり似ているせいかも知れない)。

頼まれているほどの分量であれば、なにかテーマが見つかればそれほど難儀せずに書けそうだが、かつて某シンクタンクの月報に半年ほど東欧についての連載を引き受けてその原稿締め切りに追われて大いに苦しんだことがあるから安請け合いは禁物だ。ただ、考えてみれば、自分では夜も寝られぬほどに苦労して書いた一文も読む方にとっては本の中のほんの一部、そしてあっという間に読み終わるものだ。

今回締め切りまでには時間がありそうだからあまり肩に力を入れずにテーマをさがそうか(あたかも天からでも降ってくるかのように、突然頭に浮かんでくることを期待して!)・・・

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静かなふたり Drôles d'oiseaux

2024年11月07日 21時24分02秒 | 日記

今夜、アマゾンプライムでフランス映画「静かなふたり Drôles d'oiseaux 」を観た。静かに進む謎めいたストーリーに加え、終始映し出されるパリの町並み、特に美しい夜景は秀逸。

今年1月に、たった一日だったがパリを訪れた時の記憶がよみがえってきた。ノートルダム寺院にもほど近い、主役Jean Sorelが店主の本屋もなにか「シェイクスピア アンド カンパニー」を思い出させるような雰囲気。

トゥールからでてきたというLolita Chammahのクールな美しさもこの静かな映画にふさわしい。久しぶりに出会えた、いかにもフランスらしい映画だった。

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LPレコード

2024年09月15日 15時00分33秒 | 日記

先日の家の外壁塗装で思い出したのだが、この家を新築した時に買ったのがパイオニア製のステレオセットだった。1970年代、ステレオセットというとまだ家具の一部のようなもので、重厚で木目調、と言ったふうに随分大柄だった。勿論、そこにはレコードをかけるためのレコードプレイヤーもあった。応接間においてあったそのセットはいつの間にか処分されて、大きなスピーカーのあったところには代わりに飾り棚が鎮座している。

取り扱いが簡単で小さく、それでいて忠実な再現性のあるCDに押されて一時期はすっかり廃れてしまったように思われたLPレコード。買いためたLPレコードは場所を取るし引っ越しの際にも荷物になったが、どうしても処分する気になれずに随分と長い間書斎の奥に眠っていた。家電量販店でも、マニア向けの高額なものはともかく、一般向けのレコードプレイヤーはわずかに。特に最近では音楽はダウンロードして聴くもの、になってCDすら時代遅れになったような感じがする。

しかしここ数年、レコードの復権なのか、さほど高価でないレコードプレイヤーが登場してきたので思い切って3万円ほどのソニー製を買ってみた。特に用のない日曜日の午後、眠っていたLPレコードの中から見つけたのが、カラヤン指揮のベルリンフィルとラザール・ベルマンによる、誰もが知っているチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番。今から49年前、1975年の録音。何度も聞いたはずだが今回聴いてみると特に傷んでもおらず、雑音もなく、むしろレコードだと思うせいかしっとりとした柔らかい音色で耳に心地よかった。

二人ともとうにこの世を去っているが、音楽はいつまでも残る。ベルマンといえば、彼のデビュー盤ともいえるリストの『超絶技巧練習曲』に驚愕したカラヤンにギレリスが言った「リヒテルと私のふたりが、4本の手で対抗しても勝てそうにないピアニスト」というコメントが思い出される。カラヤンの指揮を最後に見たのは、1984年、ザルツブルグ音楽祭(オーストリアの銀行に勤める友人からの招待で切符が手に入った)での「ばらの騎士」。老齢のせいか、その時のカーテンコールで少しよろめきながら出てきた彼の姿が印象的だった。

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