「911」と言ってもすぐにピンとくる人は少なくなっているかもしれない。ニューヨーク同時多発テロ事件発生から今日で23年が経った。あの年に生まれた人の多くがもう社会人になっている。あの時ニューヨークに駐在していた、40代だった自分もこの年月の長さを実感するこの頃。
それでもあの日の澄み渡った青空や、倒壊したワールドトレードセンタービルから散逸した紙切れが風に乗ってダウンタウンを舞う風景、そして何かが焦げたような匂い、それらは色あせることなく今でも鮮明に覚えている。
21世紀が始まったばかりに発生したあのテロ事件は、今思えばこの世紀が戦争と殺りくにまみれたものになることを予言するものだった。突然無辜の市民を襲ったこの事件は、ロシアによるウクライナ侵略やハマスの襲撃にもどこかでつながっているように思える。
テロの数日後、ハドソン川越しに望んだ、倒壊したビルの跡地から放たれたレーザー光線はツインタワーの幻影となってニューヨークの夜空をどこまでも昇って行った。
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