今日のNHK BSプレミアムシネマで1982年のアカデミー賞8部門受賞作品「ガンジー」を観た。最初に上映されたときはロンドン駐在時で、ベン・キングスレーの熱演と彼のあまりにもガンジーに似た風貌に圧倒された記憶がある。それから35年経って改めて観てもその印象は変わらない。独立運動を鎮圧するための英国軍による無抵抗の市民の虐殺など血なまぐさいシーンがあるのだが、映像処理が巧みなために後味は決して悪いものではない。更には英国の狡猾さを改めて感じさせるなど、英・印共同制作ながら現代にも通じるメッセージが盛り込まれている。
ノラ・ジョーンズの父でもあるラヴィ・シャンカールのシタールの音色はこの偉人の波乱万丈の生涯を彩るのにふさわしい深い哀しみを湛えている。3時間を超える作品で、今では珍しい「途中休憩(Intermission)」があるが、最後まで一気に観させる秀作。