イギリスを代表する老舗企業で、イギリスでは町の繁華街(”high Street")に陣取る常連店のひとつであるレコード販売チェーンHMVが倒産し、管財人の管理下に入った。オンライン配信等により、レコードやCDの販売不振が続き、資産売却も及ばず銀行に見放されて遂に資金繰りがつかなくなり破綻に至ったもので、去年のクリスマス商戦でも回復が見られなかった。これから再建を試みるが、はたしてHMVのブランドを購入する意欲のある、例によって中国や韓国の投資家があらわれるのか、今時点では不透明である。
音楽に関心のある人には、正式にはHis Master's Voiceと言われるHMVの、あの亡くなった主人の声を聴くべく小首を傾ける犬のマークになじみが深いだろう。1921年にイギリスの作曲家エドワード・エルガーにより第一号店を開店したHMVだが、永遠に「威風堂々」と言うわけにはいかなかったようだ。また一つ、イギリスの文化を象徴していたものが消え去るようで寂しさを禁じ得ない。
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