ニューヨーク州のクリントン刑務所から殺人罪で服役していた凶悪犯2名が脱獄し、以前逃亡中だという。今回は刑務所の女性職員が手助けしたということだが、壁を打ち抜いて脱獄するという手口はまるでアレクサンドル・デュマの小説モンテ・クリスト伯ことエドモン・ダンテスの脱獄と瓜二つだ。もっとも、脱獄者として無実のダンテスと、危険極まりない犯罪者のこの二人では全く異なるが。
囚人が牢獄の壁を打ち抜いて脱獄するというのは、他の小説でも見られる(たとえばバルザックの短編小説ファチーノ・カーネなど)から古典的なストーリーであり、かつ、世間の興味を引き付ける英雄譚の例と言えなくもない。
今回、どんな動機で女性職員は脱獄を手助けしたのだろうか?殺人犯罪者のもつ魔性に魅了されたのか。いつになっても人間の本性は変わらないものだ。