“渋谷の父 ”ハリー田西の占い研究所

自身のことを含め世の中の森羅万象を占い師・運命学研究家の立場からつづります。

平山郁夫展を見て感じた日本の原点をたどる旅

2013年01月30日 22時19分21秒 | Weblog
“飲み友達”のMさんから招待券をいただいたので、
今日の午前中、現在、日本橋三越本店で開催されている
『平山郁夫展~大唐西域画への道~』を見て来ました。

現代日本画家の最高峰といわれた平山郁夫さんといえば、
仏教をテーマにした作品で知られ、
転じて、長きにわたりシルクロードや中国などアジアの風景を描き続けました。

そのため、平山さんはおよそ40年間に1000回もアジア各地を訪れたといいます。
40年間で1000回、ということは、計算すると1年に25回、半月に1回?!
ええ~っ?マジすか?
その間、芸大の先生としての仕事はどうしてたのかな?と思ってしまったりして・・・
まぁこういうこと考えること自体が、
どうでもいいことにこだわる僕のしつこい性格だったりして・・・(笑)

さて、平山郁夫さんはなぜ西域にこだわったのでしょうか?

運命学では、《西》は終わりの場所になります。
太陽が西に沈むが如く、すべては東から西へと流れていくのです。

仏教には「西方浄土」という言葉があります。
よく「極楽浄土」といいますが、
《浄土》とは、浄らかな土地、つまり、あの世、《極楽》のこと、
「西方浄土」とはその《極楽》が西の方向にあるということを意味しています。

ちなみに、浄土宗、浄土真宗とは、
極楽に行くための教え(=浄土宗)、
真に極楽に行くための教え(=浄土真宗)ということです。

では、なぜ人は西へ向かうのかというと、
人は人生という旅をしていると、最後に阿弥陀様と出会うわけです。
阿弥陀様とは、現世、この世におられる仏様で、
人々の現世における苦しみをもらって下さる尊い仏様なのです。

その阿弥陀様に苦しみをもらってもらうことによって、
人は最後に《悟り》をひらくわけです。

そして、《悟り》をひらいた人を《仏》といいます。
要するに、仏になる、亡くなるということは、悟りをひらくということです。

釈迦は、菩提樹の下で座禅を組み悟りをひらき、《仏陀》になりました。

ほら、西の地、西域に悟りをひらくために旅をした人たちの話があります。
『西遊記』です。
西遊記の“遊ぶ”という字の中には、“方”が入っていますよね。
簡単にいうと西の方へ旅をした記録が『西遊記』なのです。

ちなみに、『西遊記』で、天竺にたどり着き、
ありがたいお経を手に入れ、悟りをひらいたおサルさんは、
「孫空」になりましたよね。
カッパも「沙悟浄」になりました。

平山さんの作品は、その孫悟空たちをお供につれ西域を目指したという
三蔵法師(玄奘三蔵)の足跡を追い、作品を描き続けて来ました。

西の場所、西域は終わりの場所、
終わりの場所はすなわち始まりの場所、物事の原点でもあります。

畢竟、平山さんの玄奘三蔵を描く旅は、
日本人の原点を訪ねる旅といえるのかもしれません。
(原点が仏教の“原典”に通じるのも何かの因縁でしょうか?)

少し脱線しますが・・・
最近は、差別表現にあたることもあってあまり使いませんけど、
日本では昔から太平洋側を《表日本》、
日本海側を《裏日本》という言い方をして来ました。

それは太平洋側のほうが陽あたりがよく明るいというイメージがあるのと同時に、
東京など人口の多い地域が
太平洋側に集中していることから生まれた言葉であり、
そういう表現を作ったのもおそらく太平洋側に住む人間であると考えられます。

でも、果たして太平洋側が日本という国の《表》なのでしょうか?

たしかに咸臨丸が太平洋を渡り、アメリカを目指したように、
太平洋側は世界に向かって船出する《表玄関》になっているかもしれません。

しかし、それをいうならば、
日本海側は広大なアジア大陸に向かう《表玄関》であり、
それをして日本海側こそ《表日本》であるという言い方をしても
決して間違いではありません。

むしろ、日本列島の形からしても、
極東に位置する日本はアジア大陸のお尻、
太平洋にお尻を突き出した形をしているともいえます。

これを持ってしても、
日本が、日本人がアジアに目を向けるということは、
ある意味で原点回帰の真っ当な道と言ってもいいと思います。

・・・てなことを考えながら、平山郁夫展を見て来ました。

ああ、あとこれはごく個人的な感想ですが・・・
僕はこれまで、平山さんの作品のイメージとして、
シルクロードやら寺院の画が多いという印象から、
茶色や黄褐色のイメージが強かったのです。

たしかに今回展示されている作品の多くは、
そのイメージそのままだったんですが、
実は、意外だったのは、青色の色づかいが非常に見事だということを感じました。

いや、平山さんのような巨匠の色づかいが見事なのは当たり前で、
こういう発言をすること自体が素人の戯れみたいなもんですが、
クリスチャン・ラッセンや加山雄三さんが描く海の世界に匹敵するような
“青”の感動を受けました・・・

ラッセンや加山さんと一緒にするなって?!どうもすみません!(笑)


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