光を読む

写真を撮るときに何となく光を読むことが出来るようになった気がする。

この光じゃ上手くいかないなあとか、このひかりだといいなあとか、定量的ではないのだけれどそういう「感じ」がするようになった。いい光でないと、いやな感じがするのだ。

どんなに見慣れた風景でも、光を選びタイミングを選びアングルを選ぶことによって素敵な絵に変身できるのだ。

それは何もないと思えるランダムな信号のなから意味を探り出す科学者の仕事にも似ていると思う。

全ては良く見る事から始まる。まずは観察である。観察は予見を入れてはいけない。でも、それを理解するためには、何らかの記号を観察結果に当てはめなければならない。いや、それが理解するということの本質なのだ。

そして、全ての記号を当てはめた後に残った残渣の中に新しい意味は潜んでいる。

写真も同じじゃないんだろうか。