少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

メモリスティック

2006-09-25 22:12:27 | 哲学
もうだいぶ前のことになるが、八丈島に行ったときに携帯のストラップにつけてあったメモリスティックをなくした。展示会でもらったただのやつ。

でもちゃんと何百メガバイトものメモリ容量があった。いつか、どうしてもメモリに書類を入れて持って帰らなければいけないことがあるかもしれないと思って、携帯につけておいた。

結局デジカメの写真とかしか入れたことはなかったのだけど、八丈島から帰ってきたらなくなっていた。どっかで落としたのに違いない。

まああ、もともとただだし、中に入っていたデータもたいしたことはないので、まあ正直いってそれほどショックは受けなかった。

今、八丈島の浜辺かどこかにあのメモリは転がっているに違いない。誰も消すことのない半導体のチップは、これから何年間、あのデータを記録し続けるのだろう。

もしかしたら、100年経っても八丈島のどこかに僕のでデジカメ写真は、そのメモリの中に存在し続けるのかもしれない。

人類が滅びさってから、どっかから宇宙人がやってきて、そのチップをひろいあげるかもしれない。でも、その中にデジカメ写真のデータが入っているとは、そう簡単に気づかないに違いない。何年もの研究の果てにJPEGなるデータフォーマットが解読され、そこに不思議な人の顔が浮かび上がる可能性もある。

もしかすると、家の前に転がっている石っころにもそういうデータが埋まっているのかもしれない。ただ、僕らはその方法を知らないだけ。JPEGみたいなフォーマットを見つけられずにいるだけなのかもしれない。

何もないように見える雑音だらけの自然、石や空の中には宇宙の全てが記憶されているのではないだろうか。きっとそうだ、そうに違いない。ただ僕達はその秘密の解読方法を知らないだけ。

八丈島のどこかにきっとメモリは転がっている。いつかどこかの誰かに解読される日をずっと、ずっと待ち続けるに違いない。