少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

生物と無生物のあいだ

2008-01-17 22:12:40 | 哲学
青山学院大学の福岡先生の書いた新書の題名。これが久しぶりに面白い本だった。ベストセラーになっているらしいが、一般大衆にそれほど受けるのかなあという気もするが、とにかく面白かった。

「秩序は守られるために絶えず壊されなければならない」

なぜか。それは物理学者のシュレディンガーも指摘したように

エントロピーの増大、つまり乱雑さの増大という宇宙の原理に抗して生物が秩序を守るための唯一の方法が、作った端からぶっ壊しては、また作るという作業の連続であり、それこそが生物の本質だというのだ。

生物とは動的平衡である。でもそれは会社でも同じだと思った。ホンダは新車ができた瞬間からその問題点を探し始めるというのを聞いたことがある。それはまさに動的平衡だ。今の栄光にしがみついたとき、静的平衡とでもいおうか、その瞬間からその組織はエントロピーの増大という恐ろしい宇宙の原理に押し流され始めるに違いない。それは官僚主義や怠惰や賄賂や、いろんなことだろう。

今自分が直面している問題。それを考えるとき、自らをぶっ壊さなければいけないとしたら。動的平衡しか前へ進む道はないとしたら。自らをぶっ壊しながら新しい秩序を積み重ねていくことって、いったいなんだろう?