こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

丸かじり

2016年01月31日 00時51分57秒 | 文芸
恵方巻きの丸かじりが,

節分行事だと知ったのは、

弁当屋に勤めて,

自分が作る立場になった時。

それまで節分といえば、

豆まきだった。

「節分て巻きずし食う日なんか?

『鬼は外!』いうて,

鬼を追い払う日やろ。

鬼が巻きずし嫌いて、

知らなんだなあ」

 真面目な顔でそういって、

職場の同僚に大笑いされながら、

巻きずしを巻いた。

 節分を迎えると、

製造現場で何千本も,

恵方巻きを巻いた。

終わる頃には、

もううんざりだ。

見るのも嫌だが、

家族の分は買って帰る。

ところで、

最初は,

丸かじりするものだと知らなかった。

包丁で切り分けて、

皿に盛って紅しょうがを添えて,

食卓に出した。

「丸かじりしなきゃ、

福は来ないんだよ」

 小学校に通う長女が口を尖らせた。

友達の家では、

もう当たり前になっている,

節分行事だった。

正に負った子に教えられたのである。

 最近は、

私が家族の分を,

愛情込めて巻いたものを、

家族そろって,

丸かじりしている。


コメント
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