若い頃人付き合いが苦手で、
自分から声をかけたりなんてまず出来なかった。
受け答えも躊躇しがちで、
うまく話せなかった。
趣味のグループでも影の薄い存在だった。
練習や会合が終わると、
メンバーは喫茶店やファミリーレストランに集った。
それぞれ好みのドリンクや料理を注文するのだが、
私はいつもホットコーヒー。
割り勘で贅沢は禁物だった。
「四百八十円やのに、金多いで」
「二十円ぐらい、構わへん、構わへん」
メンバー同士の会話を小耳にはさむと、
(二十円は大きいで)と自分に言い聞かせた。
「きょうは僕がおごるわ」メンバーの誰かが言えば遠慮せず、
注文は定食とかセットもの。
みんな口には出さなかったが、
(ケチなヤツやなあ)と呆れているのは感じた。
実は当時実家がかなり貧乏で、
ケチになりたくて、そう振る舞ったのではない。
でも、ハッキリと自分の現状を説明できなくて、
ケチに甘んじるしかなかったのだ。
自分から声をかけたりなんてまず出来なかった。
受け答えも躊躇しがちで、
うまく話せなかった。
趣味のグループでも影の薄い存在だった。
練習や会合が終わると、
メンバーは喫茶店やファミリーレストランに集った。
それぞれ好みのドリンクや料理を注文するのだが、
私はいつもホットコーヒー。
割り勘で贅沢は禁物だった。
「四百八十円やのに、金多いで」
「二十円ぐらい、構わへん、構わへん」
メンバー同士の会話を小耳にはさむと、
(二十円は大きいで)と自分に言い聞かせた。
「きょうは僕がおごるわ」メンバーの誰かが言えば遠慮せず、
注文は定食とかセットもの。
みんな口には出さなかったが、
(ケチなヤツやなあ)と呆れているのは感じた。
実は当時実家がかなり貧乏で、
ケチになりたくて、そう振る舞ったのではない。
でも、ハッキリと自分の現状を説明できなくて、
ケチに甘んじるしかなかったのだ。