こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

なみだの父

2016年06月11日 00時07分53秒 | 文芸
「おとうさん、泣いてるよ、また」

 そう、また泣いてしまった。感動的なドラマに出会うと、例外なくウルウルしてしまう。

 小さいころ泣き虫と呼ばれた。思い通りにいかないことがあると、ところかまわず「ギャーギャー!」泣きわめいたものだ。 

 ところが最近ハッと気づいた。あの頃、泣き虫の私、涙は伴わなかった。泣けば親の気を引きつけられたから、泣く。だから涙はいらない。流すなら空涙。感情抜きだったのだ。

 それが、ドラマに感動した時は、涙が先行する。胸が痛くなったり熱くなったりと。それを家族は理解してくれない。たぶん感受性を持ち合わせないか、弱いからだ。私の家族なのに……!どうしてだ?

「おとうさん、わざと涙ぐんでいるのよ」

「そうよね。絶対そうだよね」

 聞こえよがしの妻と娘は相手にしないで、ドラマにのめり込み、きょうも涙する私だ。
コメント
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