難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

NHK手話ニュースの「細い目」は何を表す?

2007年05月24日 09時27分44秒 | 生活
070523_2045~002.jpg070523_2045~001.jpg5月23日の手話ニュースで、木村晴美キャスターが田中清キャスターとともに担当していた。

ろうの木村キャスターとコーダの田中キャスターと明らかに手話が違う。
木村キャスターは行楽や天気などではない政治的にシリアスな話題を報道する際にも、「笑った」表情が入る、また何かを見る、観測する、注視するような際に「目を細める」。

この「笑った」表情が普通のニュースで次は明るい話題ですと言って見せる明るい表情ではないのはもちろんだ。
多分、これから新しいテーマで話しますよ、話題は別ですよというメッセージではないかと思う。最初に見せるからだ。
普通のニュースのキャスターの「それでは」という言葉や少しだけ強いはきはきした口調の代わりの表現かもしれない。

次の目を細めるのは、私たちも近視や老眼の人が良く見ようとすれば目を細めるが、この場合は違うだろう。
これは、多分話の対象に愛情や好感を持っていることを表しているのではないか。声で言えば優しい口調にあたる。

後、木村キャスターでも口型がないわけではない。昨日も「反応」とかいくつかの言葉が出ていた。


難聴者が手話を使う場合でも習得した方法や経験年数でかなり違うが、難聴者の手話が表情が乏しいと言われるのは、通常は発声しながら手話を使うのでその声に意味を持たせているので表情に表れないのだ。
難聴者の場合、手話のコミュニケーションでいろいろな意味が表情に出てくるようになるにはろう者とのコミュニケーションが欠かせないだろう。講習会などで言葉で学ぶには限界がある。


難聴者は聞こえない時に、その場の気まずさやトラブルを避けようとして、微笑えんでしまう。単純にわかった振りをしている訳ではない。これは難聴は「微笑みの障害」として国際的にも昔から指摘されていることだ。

それでも、難聴者は手話を学習する意義は大きい。

ラビット 記