「超高齢化社会と難聴」というシンポジウムがあった。
筑波技術大学大沼直紀学長、慶応大学小川郁教授、プロ野球マスターズリーグコーチ中西太氏、補聴器工業会理事赤生秀一氏の四氏がパネリストでコーディネーターが好本恵氏だった。
映像をはさみながら超高齢化社会における難聴の問題を順々に説き、課題を整理して、説明していた。
大沼先生、小川先生は分かりやすい説明は斯界一のものだ。
中西氏は、周囲の迷惑にならないようにと補聴器をつけたと率直に語っていたが自分の体験の範囲を出ないのはやむを得ないとしても、コーディネーターが補聴器による効果は何か、限界は何かをリードすべきだったろう。もっともそのことはVTRに登場した難聴Wさんと家族がはっきり話していたが。
補聴器工業会の赤生氏は、大変失礼ながら難聴者の生活の「要」の補聴器のメーカーとしてのハートというかインパクトが今ひとつ伝わってこなかったのが惜しまれる。
ひとつには話し方がはっきりしない。難聴者の参加者も多かったので、補聴器メーカーの社長ならではのゆっくりはっきりと話して欲しかった。
難聴問題の課題のひとつの「(本人の)心理的躊躇」を取りあげて、メーカーとしても見えにくい補聴器やカラフルな補聴器を販売して努力していると発言されていたが、これは反対ではないだろうか。
難聴者が心理的に躊躇するのはコミュニケーションの齟齬が生じた時に、周囲の理解のないことから間違って聞いた、聞こえなかったことを恥ずかしく感じるからで、補聴器が地味な色のためではない。
また、カラーの補聴器を買うから気持ちが晴れるのではなく、周囲の理解があって気持ちが明るくなってカラフルな補聴器を購入することはあるだろう。
補聴器業界は、耳鼻科医師や難聴者団体と協力して、社会の理解のために啓発に力を集中すべきだと思う。
主催者のNHKエデュケーショナルには難聴問題を取りあげて頂いたことは感謝したい。
しかし、会場にいる難聴者にはパネリストの声はVTRの音量に比べ聞きにくかった。「字幕」はあったが補聴援助システムを用意しておくなり、会場のあちこちに補助スピーカーを置くなりの対策が必要だっただろう。
良くも悪くも我が国の難聴の理解度のレベルが伺われるシンポジウムだった。
ラビット 記
筑波技術大学大沼直紀学長、慶応大学小川郁教授、プロ野球マスターズリーグコーチ中西太氏、補聴器工業会理事赤生秀一氏の四氏がパネリストでコーディネーターが好本恵氏だった。
映像をはさみながら超高齢化社会における難聴の問題を順々に説き、課題を整理して、説明していた。
大沼先生、小川先生は分かりやすい説明は斯界一のものだ。
中西氏は、周囲の迷惑にならないようにと補聴器をつけたと率直に語っていたが自分の体験の範囲を出ないのはやむを得ないとしても、コーディネーターが補聴器による効果は何か、限界は何かをリードすべきだったろう。もっともそのことはVTRに登場した難聴Wさんと家族がはっきり話していたが。
補聴器工業会の赤生氏は、大変失礼ながら難聴者の生活の「要」の補聴器のメーカーとしてのハートというかインパクトが今ひとつ伝わってこなかったのが惜しまれる。
ひとつには話し方がはっきりしない。難聴者の参加者も多かったので、補聴器メーカーの社長ならではのゆっくりはっきりと話して欲しかった。
難聴問題の課題のひとつの「(本人の)心理的躊躇」を取りあげて、メーカーとしても見えにくい補聴器やカラフルな補聴器を販売して努力していると発言されていたが、これは反対ではないだろうか。
難聴者が心理的に躊躇するのはコミュニケーションの齟齬が生じた時に、周囲の理解のないことから間違って聞いた、聞こえなかったことを恥ずかしく感じるからで、補聴器が地味な色のためではない。
また、カラーの補聴器を買うから気持ちが晴れるのではなく、周囲の理解があって気持ちが明るくなってカラフルな補聴器を購入することはあるだろう。
補聴器業界は、耳鼻科医師や難聴者団体と協力して、社会の理解のために啓発に力を集中すべきだと思う。
主催者のNHKエデュケーショナルには難聴問題を取りあげて頂いたことは感謝したい。
しかし、会場にいる難聴者にはパネリストの声はVTRの音量に比べ聞きにくかった。「字幕」はあったが補聴援助システムを用意しておくなり、会場のあちこちに補助スピーカーを置くなりの対策が必要だっただろう。
良くも悪くも我が国の難聴の理解度のレベルが伺われるシンポジウムだった。
ラビット 記