難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の音声コミュニケーションの理解

2007年09月18日 08時36分06秒 | 要約筆記事業
070915_1340~001.jpg難聴者は発声が出来るのでコミュニケーションは音声による。
思考も音声の日本語で行われている。

ろう者は手話で会話しているように、難聴者の会話は音声日本語だ。

難聴者が聞こえない時に、文字によるコミュニケーションを求めるのは自然だが、話した言葉のままの文字表記で意味が理解出来るかは良く考える必要がある。

音声には様々な形の情報が含まれておりいるので文字表記だけではそれらが漏れてしまう。

もちろん、音声コミュニケーションが発生する現場は様々だ。
仲間とのおしゃべりから会議、講演、学術的な講義。バラエティショー、演劇、放送。

場面によっては文字表記(キャプション)で良い場合がある。
これらに、当事者がどのような立場でいるかでも聞き方が違う。
つまりその場に主体的に関わっているか否かで、求める表記も変わるのだ。

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司会のような立場なら即答しなければならないので、即時的に意味理解しやすい文章を求める。それは話された言葉の意味がパッと伝わるものだ

話された言葉の文字表記を読む時間的な余裕があれば(文字表示の時間が長ければ)、理解が出来る。
しかし、話し言葉が文字になっていても、本を読むように斜め読みは出来ない。

昨日、ある難聴者がまさにこのことについて書いているのを読んだ。要約筆記を読んでいる時は頭が音声日本語モードになっているからではないかというものだ。


ラビット 記



インターネットストリーミング 聴覚障害者のアクセスの保障

2007年09月18日 06時28分39秒 | バリアフリー
海外のろう者のブログに、インターネットのビデオクリップ(動画ストリーミング)には、字幕付きで見られるようにすべきだという提案があった。
http://jarednevans.typepad.com/blog/2006/05/my_first_video_.html

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070918_0622~001.jpgこれは、もっともなことだ。提供者が字幕付きのものも用意することで、著作権処理は簡単になる。
用意できなければ、著作権の制限をすべきだ。
つまり、原画に字幕、手話、解説音声以外のものを加えなければその再公衆自働送信に著作権者の許諾を不要とするということだ。
同じように、放送コンテンツも考えられる。

ラビット 記






地上デジタル放送の手話放送の技術的問題への対応(NHK)

2007年09月18日 01時27分57秒 | バリアフリー
070715_1908~001.jpg070716_1900~003.jpg地上デジタル放送の手話放送が技術的な問題を抱えていることに付いては、
「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会(第3回)」のNHKの配布資料には以下のように記述されている。
http://203.140.31.100/joho_tsusin/policyreports/chousa/digi_hoso_sikakusyogai/pdf/061211_2p_3_3.pdf

なお、NHKでは、一般の番組に手話を付与したものを手話放送、聴覚障害者向けの手話ニュースのような手話番組と言っている。

これによると、手話放送を拡充するためには、地上デジタル放送においてチャンネルをもう一つ設けて、受信機側で合成するか、インターネットによる同時受信による方式が考えられている。
前者は、CS障害者放送統一機構がCS通信のPIP(ピクチャーインピクチャー)方式で実現している。
http://barrierfree.nict.go.jp/serial/no3/index.html
後者は、ノルウェイの放送局が実施している(「第3回聴覚障害者のための国際放送バリアフリーシンポジウムin Kyoto」報告書P12)。


ラビット 記
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視聴覚障害者向け放送の拡充にあたっての検討課題
2006年12月11日
NHK
基本的な考え方
NHKは、「平成19年度までに字幕付与可能な番組について100%字幕を付与する」との「行政の指針」(平成9年郵政省策定)について、期限より1年早く、平成18年度に達成する見込みである。また、「行政の指針」の対象となっていないニュースをはじめとする生放送番組の字幕付与にも積極的に取り組み、現在、朝から夜までの主要なニュースや、大相撲ほかのスポーツ中継などで、生字幕放送を実施している。
テレビに字幕機能が標準装備されるデジタル放送時代を迎え、聴覚障害者も情報格差なく放送を楽しめるように、引き続き、生字幕放送においても一層の拡充を図っていく。
解説放送や手話放送については、字幕放送にくらべ技術面での制約もあり、現在、段階的に拡充を行っているところである。今後、新しいデジタル技術の研究開発の成果も取り入れながら、より充実したサービスの実現を目指す。
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(3)クローズトサイニング(クローズト手話)その他、新技術への期待
・ スイッチをオンにしたときのみ手話が表示されるしくみ。
手話のために別チャンネルを用意し、利用者の側で通常の番組と合成するしくみが実現すれば、一般番組に広く手話を付けることが技術的には可能になる。
・ 放送と通信の融合(インターネット回線で手話サービス)。
・ 字幕放送の文字データを利用したアニメ手話。