難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

備忘録として 現行コミュニケーション支援事業の限界、制限

2010年08月07日 21時41分46秒 | 福祉サービス
要約筆記や手話通訳がコミュニケーション支援事業として実施され
ているが、これの応諾の権利は当事者側にはない。実施要綱や行政
の担当者の判断に左右されている。
派遣は無料でも派遣範囲が制限されている他、交通費の負担など実
質的な有料になっている。

◯障害者手帳6級の難聴者が要約筆記者の派遣を依頼したら、
行政は当市は3級までの聴覚障害者にしか派遣しないと答えた。
◯葬式に要約筆記者の派遣を依頼したら、2親等までしか派遣
しないと言われた。
◯ハローワークに説明会に要約筆記の依頼をしたら、自分で連れて
来いと言われた。
◯夜間緊急時の要約筆記の派遣は依頼者が要約筆記者の交通費を負
担することになっている。

障害者の自立に必要な事業が当事者が必要として派遣を求めている
のに、行政は財務面だけからしか考えていないのではないか。

これらは総合福祉法では改善しなければならない。
総合福祉法部会の意見提出と併せて考えているところだ。
一方でアメリカのVR職業リハビリテーションと情報アクセス委員会のことも書いている。

頭の中でどういうふうになっているかというと、難聴者支援モデルを構築するという柱、幹がありそれにいろいろな枝が分かれてそれに葉が茂っていっているという感じだ。


お昼に作ったピザトースト。われながら美味だった。

NHK原爆慰霊式典の中継

2010年08月07日 17時01分53秒 | 日記(つぶやき)
8時9分時は献花を始めたときで中継アナウンサーの声は字幕が付いていた。しかし、【その後の秋葉市長と管総理大臣の挨拶にも字幕が付いていたと思うが、見られなかった。】

今日の新聞には藩国連事務総長の挨拶が放送されなかったと苦情が殺到したと報じられていた。
これに対し、NHKは例年総理大臣の挨拶までだからと回答しているが、今年初めて国連事務総長が参加したという時代の流れ、情勢の変化も見ないNHKの姿を見て失望したのは私だけではないはずだ。


ラビット 記

【8/8訂正】
上記の「その後の秋葉市長と管総理大臣の挨拶にも字幕が付いていたと思うが、見られなかった。」は開会の最初に、秋葉市長が挨拶したがスーパーが付いていたと言う。またその後の管総理大臣のあいさつは字幕放送の字幕だった人のことだ。いずれも献花の前だった。
「秋葉市長のあいさつにはスーパーが、管総理大臣のあいさつは字幕放送の字幕が出ていた。」と訂正します。

真夏のひまわり 要約筆記事業の肝(きも)

2010年08月07日 13時35分41秒 | 要約筆記
要約筆記は難聴者、中途失聴者のコミュニケーション保障に欠かせない。

コミュニケーションを文字で伝えることで支援する方法なので、一般的に要約筆記とリアルタイムの字幕などの文字表記、筆談などと区別がつきにくく、パソコン要約筆記とリアルタイム文字通訳の違いも理解されにくい。

文字に変えて伝えることから手書きかパソコンか、要約か全文かなどにとらわれがちだが、要約筆記者は文字で伝えることだけでなく、利用者を社会福祉的に支援するということが、障害者権利条約時代の要約筆記だ。

社会福祉的に支援すると言うことは、利用者を権利の主体と見ること、難聴者が多面的な問題を持っていることを理解していること、問題解決のアプローチを社会的に解決しようとすること、専門家や多くの社会資源と連携して支援することなどのことを指す。

これが要約筆記者と要約筆記奉仕員の決定的な違いだ。
つまり要約筆記奉仕員は社会連帯、共生の理念に基づいて要約筆記を行う。
要約筆記者は、きちんと憲法や社会福祉の理念、対人援助技術などを学び、基本的に必須事業となった行政のサービスを担う。

このことは、障害者権利条約に政府が署名し、その国会批准のための議論が内閣府で行われ、障害者制度改革の基本的な方向が閣議決定され、障害者基本法の改正、障害者差別禁止法、障害者総合福祉法の制定がスケジュール化されている時、この流れを理解し、その一翼のコミュニケーション事業を担う要約筆記者の養成こそが喫緊の課題であることは間違いない。

歴史には転換点というものがある。国際障害者年がそうだろう、社会福祉基礎構造改革がそうだろう。いまはそれを上回る大きな転換点だ。


ラビット 記