難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

コミュニケーション論

2006年05月08日 01時42分04秒 | 要約筆記事業
巷で評判のコミュニケーション論の専門家に、聴覚障害者に対する講演を依頼する。、コミュケーションの専門家がコミュニケーションについてどう考えているのかを学ぶことで、中途失聴・難聴者が「コミュニケーション」を考える時、コミュニケーションの本質に迫ることが出来るのではないかと期待してのことだ。

コミュニケーションにも、マス・コミュニケーションもローカルなコミュニケーション、個人とのコミュニケーションとかがあるが、普通は音声や文字などの情報が普通に伝わることを前提にしているのだろう。風評被害のように不確かな情報が伝播することや地位の上下関係にあるもののコミュニケーションとかが問題にされるのだろうか。
文字や音声が普通に伝わらない人々、聴覚障害者、日本語の分からない外国人、知的障害者などのコミュニケーションは専門家の中ではどう扱われているのか、興味はある。

私の中では、コミュニケーションは情報のやり取り、意志の確認等
で自分の存在意義を自分で確認することではないかと考えている。
相手の考えを知ること、自分の考えていることが伝わることで、自分がどういう存在なのかを認識するプロセスがコミュニケーションと言えるか。
彼の話を聞いて、整理してみたい。

ラビット 記



難聴者のニーズ調査

2006年05月05日 13時29分59秒 | 福祉サービス
障害者自立支援法の障害福祉計画の策定に当たっては、当事者のニーズの把握が重要になる。
この時、中途失聴・難聴者のニーズの把握には、その障害の特性を考慮しないといけない。つまり、難聴者は外見から分からない障害であり、コミュニケーション障害であるので自ら聞こえないことを言えない、聞こえの状態を言葉で説明するのも難しいので、ニーズが顕在化しにくい。

過去のサービスの利用実績だけで判断しないということだ。要約筆記はこれまで社会的にも十分認知されていなかったし、そのサービスのレベルも利用者に満足のいかなかった場合や個人派遣が制度化されていなかった場合などの理由で、利用実績が伸びていなかった。
これまでの県レベルの要約筆記派遣サービスの利用者が難聴者団体の会員、団体派遣に偏っているとすれば、もっと社会にはニーズがあるはずだ。難聴者団体に対して、利用を呼びかけるだけでなく、自治体が先頭になって、ニーズを掘り起こす必要がある。

新聞等に、補聴器や難聴の治療法方が載れば、関係先に電話が殺到する。確かに聞こえの問題に対する強いニーズがある。難聴者協会に組織された難聴者はまた別のニーズを持っている。コミュニケーション方法の学習や各種制度の利用だ。
社会に難聴者は多い。しかし、社会的に「難聴者」群として顕在化しにくい。そのニーズをどう捉えるか、調査対象、調査方法も斬新な考え方が必要ではない

ラビット 記





ワンセグの字幕放送

2006年05月05日 13時22分01秒 | 機器について
ワンセグ対応の携帯電話がメーカーの予想以上に売れているという。鮮明な画像であること、携帯電話で見られることが評価されているのだろう。
地上波デジタルの字幕放送が音のでない携帯電話のユーザーには至極便利だろう。うるさいところでもニュースなど「聞こえる」からだ。
しかし、この字幕は聴覚障害者のために行われているものだ。初めて目にしたワンセグ対応携帯電話のユーザーが話したとおりではないとか、遅れているとか、音符は要らないとか言うことが考えられる。

これは、放送事業者がただの字幕スーパーではなく、聞こえない人のための「字幕放送」であることをきちんと説明すべきだ。
また、字幕放送の行われていないニュースショーやバラエティ番組も字幕放送を実施すべきだ。

高岡



ウェブコンテンツのアクセシビリティの研究会

2006年05月04日 04時35分32秒 | PHSから
ネットワークのアクセシビリティを検討しているグループNAP(
Network Accessibility Project )
http://www.accessibility.org/
から、WCAG2.0のラストコールドラフトが発表されたとアナウンスがあった。WCAGはウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドラインのことだ。アクセシビリティの4つの原則とか、WCAGの新しい用語とか興味のある記述がある。5/31までパブリックコメントを受け付けている。
http://www.w3.org/TR/WCAG20/

我が国では、2004年6月に、JIS X 8341-3:2004 「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第三部: ウェブコンテンツ」 (いわゆる WebコンテンツJIS)が公示されている。
NAPはこれとの比較やWCAG2.0の内容をJISX8341-3に取り入れようとしている。

ラビット 記





しゃべるセルフ給油は聞こえない

2006年05月02日 22時50分31秒 | 生活
060502_1927~001.jpg060502_1926~001.jpgガソリンスタンドに寄ったら、セルフ給油のスタンドだった。
この機械がよくまあしゃべる!現金かカードか、油種は何か、ガソリン給油口のキャップを外したか、ノズルの色は何でとか、最後は領収書やキャップを閉め忘れないようにとか。
前にいた人は車に乗ろうとしたが閉めたかと聞いて、戻ってきた位だ。
当然、聞こえない人に対する注意の喚起は工夫しなければならない。

自動車の運転に聴力が問われなくなったら多くの聞こえない人が車に乗るだろう。
自動車教習所の教習に要約筆記や手話通訳が付くことはもちろん、字幕や手話付きの教材ビデオの開発も必要だし、教官も手話を覚えて欲しい。聴覚障害者の教官も養成しなければならない。
高速道路サービスエリアやいろいろなサービスも聴覚障害者に対応すべきだ。警官の検問だって筆談やその他の用意がいる。

ラビット 記



通訳対応パソコン要約筆記用ソフトの開発

2006年05月01日 23時06分38秒 | 福祉サービス
要約筆記が「要約筆記者」事業として実施されるに当たり、パソコン要約筆記も、「通訳」として活動することが求められる。
要約筆記者養成カリキュラムの通訳課程は報告書で発表されているが、パソコン要約筆記のカリキュラムは全難聴の18年度事業としてこれから検討されるだろう。

パソコン要約筆記で一番利用されているソフトは、アイピートークIPtalkだが通訳対応版の開発が検討されているという。
通訳としてパソコン要約筆記をするにはまず入力する人が、「通訳」するという意味を理解していなければならない。そういう意味では、「人」の問題だ。しかし、「ソフト」の方で対応できることがあるのではないかと検討し始めている。

現在の連携入力による方式は、その方式上、聞いたまま入力する。この方が、ある意味で入力者には楽な方法だ。一定の入力スピードや連携するメンバーを増やし、連携が上手くいけば、聞いたまま入力して、要約するプロセスがいらないからだ。これには、話しているのに文字が表示されていないと利用者に不安が生じるとされて、出来るだけ空白の時間を作らないように続けて入力していたということも一因だ。

パソコン要約筆記は、要約筆記者が聞いた言葉を要約して頭の中にその文章、漢字を思い浮かべても、キー入力する際に再度頭でその文章をなぞり、誤変換が生じると思考が中断し、再度要約~文章化のプロセスを経ることになるので、手書きより負担が大きいと考えられるという。
パソコンの方が入力速度が速く文字数も多く出力されるが、思考から文字化のプロセスが二重化するというのは気が付かなかった。

表示された文字列が読んで理解できる意味の通る文章で、読む時間も確保される必要がある。
パソコン要約筆記の通訳課程カリキュラムの検討と対応ソフトの開発があいまって進むことが期待される。

ラビット 記



床屋で図解入り筆談

2006年05月01日 08時37分29秒 | 生活

頭の図難聴者にとって、散髪は病院と並んで鬼門のひとつだ。散髪時は補聴器を外さねばならないので、補聴器をしていることがわかってしまうし、外せば外したで「沈黙」するしかない。
かなり成長するまで、散髪は髪型をオーダーするものだとは知らなかった。何かを注文していることも聞こえなかったからだ。床屋談義というが、床屋の主人と客が談笑しているのを見ても何を話しているかわからない。第一、子供の頃はマスクをしたままで、話ができること自体が不思議でしょうがなかった。

大分伸びた髪を切るために、10分1000円のチェーン店に行った。難聴者はたいていは決まった人に刈ってもらうことが多い。髪型をいちいち言わなくてもすむからだ。
前に刈ってもらった人がいたが順番が合わない。ちょっと考えて、手持ちの紙に希望する髪型と額の上は指二本分の長さ、稲頂部は指一本半とかそれぞれの部位の髪の長さを書いて渡してみた。
ジーッと見てまだわからなさそうだが、一人あたりの時間が決まっているので、刈り始めた。こちらもドキドキだ。
全体的に長い、この前に座っていた人と同じようにと言ったが今出ていったばかりの人の頭を全然覚えていないらしい。
あーだこーだと説明して刈りあがったが二倍かかってしまった。今度からどう言えば良いか聞いてみたら、全体を指1本の長さで前頂部は指二本と言えば良いと教えてくれた。そうか、人により「指」の長さが違うのだ。

しかし、床屋は疲れる。地域生活支援が必要?

ラビット 記