4日朝見つけた情報の主題は「慈恵医大が開発したPCR検査で上手い、速い、安い、検査結果を得られる」という事です。
内容は筆者と慈恵医大のPCRセンターを率いる熱帯医学講座教授の嘉糠洋陸氏の面談が中心です。 参考記事は(忙しい方は)最初の40行ばかりを読んでください。
要点:
慈恵医大では「PCR検査センターを設け、その検査を大学の基礎医学研究において、遺伝子レベルの解析をする研究者が中心に行う」
これが、間違いがなく上手いやり方の様です。
そして検査結果は「検査依頼から完了まで半日」
これは、検査を受ける迄運が良ければ4日、それから2-3日と比べ圧倒的早さです。
そして「検査費用は1件当たり 700から800円」
これは、現行保険適用のPCR検査「1件1万3000円」と比べ安い のは間違いありません!!
目下大学のPCR検査センターが直轄の検査センターが“ドライブスルー方式”で数をこなせるようになると“xxセンターへ電話が繋がらない”てな障害は少なくなるかも知れません。
但し、この方式が全国的に取れるようになるには「無能な大臣と一部の厚生官僚によるコンプレックス(利権の複合体)をぶっ壊さないといけません」
この5月末迄「外出自粛や営業自粛」を罰策も補償も無く続ける」ならばその責任の所在は「安部首相と西村コロ対本部相それと加藤厚労相」にあります!
周りに知恵者がいないなら、知恵の有る方のやり方を「丸飲みにしてしまうやり方も有ります」
お試しあれー!!
写真:江戸川区の模擬検査センター
Biglobe ニュース:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を巡り、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査をすべきか、せざるべきか。1年前にはほとんど馴染みなかったはずの、バイオテクノロジー分野の検査であるPCRに大きな関心が寄せられている。専門家の間でも、その実施をめぐって見解が分かれており、経済の停滞への懸念が高まる中でもあり、議論百出の状況になっている。
こうした中、都内港区の東京慈恵会医科大学が集中的にPCRを実施できるセンターを設置した。そのコストパフォーマンス、スピードが圧倒的だ。同大学が設置した自前の「Team COVID-19 PCRセンター」では、1検体当たり実費700〜800円で検査を行うことができる。検査依頼から完了までわずか半日だ。新型コロナウイルス感染症を対象とした保険適用の検査は最低1万3500円。日本全国で、PCRの所要日数が3〜5日などと報告される中で、圧倒的なコストとスピードになっている。
現在、国内ではいくつかの議論がある。1.保健所が必要と判断した事例に対してPCRを行う。2.医師が必要と判断した事例に限ってPCRを行う。3.患者が必要とした事例についてPCRを行う──。このような段階があり、最近は、ドライブスルーでの検査を導入する方向になっている。
こうした状況の中で、大学で保険適用の枠組みにとらわれず、PCRを必要とあらば実施し、病院をサポートする慈恵医大の形は、院内の疑い例を広く対象とするという面で、2番と3番の中間的な位置づけとなる。PCRをどう実施していくのか、あるいは経済の停滞が大きな関心事となる中で、日本の検査の形をどのように構築していくのかを考える上で、ヒントを与えてくれそうだ。
センターが説明する「上手い」「速い」「安い」はどういう経緯から進められているのか。今回、センターを率いる同大学熱帯医学講座教授の嘉糠洋陸氏にも話を聞き、これからの日本の進むべき方向性について考察した。
体制作りは2月から始まった
始まりは2月である。慈恵医大では、多くの新型コロナウイルス感染者が出たダイヤモンド・プリンセス号で発症した3人の感染症患者を2月11日に収容。それ以降、新型コロナウイルス感染症の治療に取り組んだ。2月上旬には、大学では、行政での検査体制作りが遅れるだろうと予測。感染症を含めて、基本的な医学原理の研究を手がけている基礎研究関連の講座に、自前の検査体制構築を打診することになった。早速、2月14日には熱帯医学講座が新型コロナウイルス検査体制での対応に着手。以来PCR検査を自院内で実施する体制を構築した。
転機となったのは、入院患者が新型コロナウイルス感染症を発症し、それを起点に院内21人でPCR検査陽性と確認される院内感染が発生した4月2日だ。入院のほか、外来や救急を制限し、PCR検査を拡大したのだ。検査の結果を参考にして感染防止の対策を行い、封じ込めに成功。こうした経緯から、慈恵医大では700人以上のPCRを院内で実施するに至った。その後、1日50件ほどの検査に対応するようになり、4月末には大学直轄の「PCRセンター」に発展した。
嘉糠氏は、「慈恵医大では病院の中央検査部が通常はPCRを担う。ただ、ほかの検査があるため、時間を捻出してPCRをやろうとしても、1日で検査できる検体数は限られている。別にセンターを作り、中央検査部を支援する形にして、対応件数を引き上げた」と説明する。
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保険適用で検査しない理由
慈恵医大のPCRのセンターで検査をバックアップするのは、感染症系の熱帯医学、ウイルス学、細菌学のスタッフだ。月曜日から土曜日までの毎日午前に、病院内で感染を疑われる人の鼻咽頭に綿棒を使ってスワブ検体が採取されている。センターが受け付けてPCR検査の結果をその日の夕方までに出す。数日かかる公的機関や民間検査会社と比較すれば、その利は計り知れないとセンターは説明する。
センターは「上手い」としているが、「現在の基礎医学研究において、遺伝子レベルの解析は日常茶飯事であり、携わる研究者は普段からその取扱に長けています」(センター)と説明する。PCR検査はとても難しい検査のように見られているかもしれないが、プロセスは決して複雑なものではない。特に、その作業に慣れている研究者が行うことで、円滑に検査結果を出せるというわけだ。感染性の検体を使うことに、病原体を扱う研究者が慣れているのは重要だろう。今回の慈恵医大のように、ウイルスや細菌の専門家が集まる医学部の基礎講座はまさに適任だ。
センターが原価を明かしているのも特徴的だ。大学の人件費の中で対応しているとはいえ、1検体当たり700〜800円と説明する。保険適応の範囲を考慮することなく、“攻め”の検査ができますと指摘している。日本の保険適用の検査では、施設内では1検体で1万3500円、施設外だと1万8000円としている。それに比べれば、圧倒的に安い。
慈恵医大が保険適用の中で検査しないのは、グレーゾーンが存在するからだ。あまり知られていないが、保険診療の中では健康診断が禁止されている。健康保険法等の遵守事項を定める厚生労働省令「保険医療機関及び保険医療養担当規則」では、保険診療の中で、健康診断を行うことは禁止している。平たく言えば、病気でもない人を対象に、保険診療をしてはいけないと定めているのだ。症状のない人などに新型コロナウイルス感染症の検査を保険診療で実施するのにはグレーゾーンがある。
慈恵医大は、誰が保険診療で誰がそうではないかを区別する手間はないと判断し、すべてを持ち出しで行うことに決めた。入院医療を守る目的を踏まえると、PCRでかかるコストは微々たるものと考えられるからだ。嘉糠氏は、「どんな病院でも入院医療が止まれば相当なダメージになる。それを避けられるならば、PCRの経費は十分に無視できるものになる」と解説する。慈恵医大は、検査の結果、新型コロナウイルス感染症が判明したものに限って保険請求をするといった工夫によりグレーゾーンを乗り越える経営的な工夫もしている。
経済活動を止めずいかに感染症と向き合うか。嘉糠氏は、今後の検査などの対応体制については、全体で大きく3カテゴリーに分かれるのではないかと考えている。
慈恵医大が考える今後の検査体制とは
まず、一般の人々への検査の適用については、大きく2カテゴリーに分かれる。一つは、ある一定の年齢よりも上の層と、よく指摘されるように高血圧や糖尿病などの基礎疾患のある人々で、彼らに対しては「ステイホーム」を求める。もう一つのカテゴリーは、そのほかの一定年齢よりも若く、基礎疾患のない人たちで、彼らには感染対策をしつつ、経済活動に当たってもらう。
嘉糠氏は、「一般の人たちには、全体にPCRで検査をしてウイルスの有無を確認するのは現実的ではない。目下、東日本大震災と同じように災害医療に当たっているところで、安心のための検査を行うこともできない。今は抗体検査が出てきており、一般の人々については抗体検査で感染状況を確認していく形が現実的だろう」と述べる。
その上で、嘉糠氏がもう一つのカテゴリーと見るのが、病院での検査だ。ここはPCRセンターを設けた慈恵医大のようにPCRの体制を厚くして、「病院を守ることが大事だ」と強調する。慈恵医大でPCRを駆使して、感染症を封じ込めた経験を踏まえ、嘉糠氏は病院ではなるべく範囲を広げた形でPCR検査を実施することが大切だと訴える。「PCRの感度の問題がよく指摘されるが、実際に検査装置でウイルス検出の感度の低さ自体は感じていない。問題になるのは、検査装置に来るまでの段階。鼻咽頭スワブを取るときに、粘膜のウイルスの含有量にムラがある。左と右の鼻でも違う。これは技術的に改善できる」。スワブを取るための衛生物資が不足していることが問題になるが、嘉糠氏はアクリル板を使うなどすれば対応はできるとする。
医学部をはじめ、大学が一丸となって、検査体制を形作るのが重要だと嘉糠氏は言う。「PCRの診療報酬は2004年のSARSの時の3〜4倍に設定された。この診療報酬の説明会でも、設備投資ができるように決めたと聞いている。国は既に環境を整えている。あとは医学部をはじめ、医療機関が動くことだ」と話す。国内でも一部大学など体制強化に乗り出しているが、動きは鈍い。
PCRセンターを設置できない施設においてはPCR検査での対応は現実的ではなく、PCRの出る幕はないというのが嘉糠氏の見方だ。よって、診療所など小規模な医療機関は前述の抗体検査を使いつつ、オンライン診療や在宅医療を強化するなど感染リスクを踏まえたポストコロナ時代の診療対応が求められる可能性がある。
コロナで生きる獣医学の視点
個人的な話で恐縮だが、嘉糠氏の経歴を見て驚いていた。というのは、著者と同じ、東京大学獣医学課程の出身だったからだ。私自身はそれを知らずに、慈恵医大がPCRセンターを設立したという動きを知り、注目したのだが、その後にセンター長の経歴を知り合点がいくところがあった。
もともと新型コロナウイルス感染症が拡大する中、この感染症が動物由来である可能性はほぼ間違いないと見られるようになっている。だからこそ、獣医学の分野の専門家が対策を提言するなりすべきだろうと考えてきたからだ。
牛の狂牛病や口蹄疫、豚の豚熱ウイルスの発生が記憶に新しいが、感染症は動物で一般的な問題であり、重要な問題となっている。例えば、獣医師国家試験の出題基準を見ると、獣医領域の感染症としては約400疾患が挙げられている。これに加えて、人と動物とで共通した感染症である人獣共通感染症として約100疾患が挙げられる。牛、豚、馬、山羊、羊、鶏、犬、猫の感染症を網羅的に理解する必要がある。このほかにも実験動物と魚、ミツバチの感染症についても別に学ぶ必要があり、その数は合計で600種類に近くなる。医師国家試験の要項にある「感染性疾患」に示されているのは約80であるから、その差は歴然だ。人の感染症だけを知っていればいいのと、動物全体を視野に入れることの違いは明確だ。
重要なのは、感染症の病原体にとっては、人だろうが、動物だろうが、感染する先は関係ないということ。人獣共通感染症という言葉がキーワードと言えるが、新型コロナウイルス感染症は、まさに動物と人との間の垣根を越えてきたもの。この特殊な状況だからこそ、人の医療に混乱をもたらしたのであり、一方で、こうした状況だからこそ、獣医学の専門家が関わるのは至極、当然と考えられた。今回の感染症対策で発言を積極的にしている京都大学のウイルス学者である宮沢孝幸氏も、著者と同じ、東京大学獣医学課程の出身であるのは偶然ではない。嘉糠氏は、「宮沢氏が言っている考え方は私も同じ。死にたくなかったらステイホーム」と話す。経済の停滞を防ぐため、前述のような3カテゴリーでの国の方向性を早期に作っていくことが大切だと、著者も考えている。
注目の「レムデシビル」は猫コロナの関連薬
今、新型コロナウイルス感染症の治療薬として注目されているレムデシビルも動物との視点から見ると、全く新しい見方をすることができる。
レムデシビルの開発元であるギリアド・サイエンシズは、猫のコロナウイルスによる感染症の一つ、伝染性腹膜炎の治療薬として、「GS-441524」という薬の開発を進めている。猫のコロナウイルス感染症である伝染性腹膜炎は、猫の不治の病としてよく知られている。猫コロナウイルス感染症という下痢を起こす病気があるが、このウイルスが突然変異を起こしたときに凶悪化して起こる病気だ。発生の頻度は決して多くはないが、いったん発症すると従来は薬がないために、猫の飼い主は治癒を諦めざるを得なかった。
このGS-441524が、レムデシビルの活性代謝物なのである。平たく言えば、レムデシビルが化学変化したもので、同類の薬と考えられる。核酸アナログといって、ウイルスが自分の部品として間違って利用して、まともにコピーを作れなくなるという仕組みによりウイルスの増殖を防ぐ。重要なこととして、2019年の段階で既にGS-441524という薬剤が、猫の致死的な病気である伝染性腹膜炎に安全かつ、有効に使えそうであると論文報告されている。さらに言えば、中国のNantong Mutian Biotechnology社が「Mutian X」という商品名で同様な薬剤を開発している。この薬も原理はGS-441524と同様と論文報告されている。要は、コロナウイルスの治療薬をめぐって米中で開発競争が以前から起きていた。
レムデシビルはこれら薬剤と同類であり、2013年から2015年の西アフリカのエボラ出血熱に有効だとして、開発の初期段階にもかかわらず使われていた。ここから人間への使用実績があるために、今回、新型コロナウイルス感染症への使用が俎上に上がった。猫のコロナウイルスへの実績も併せて考えると、新型コロナウイルス感染症にレムデシビルの使用が浮かび上がったのはごく自然な流れと見えてくる。動物医療の観点を踏まえると、人の医療はより前進させることができる。
現在、PCRの検査体制が問題になっているが、ここは知恵の絞りどころだ。慈恵医大が進める挑戦は、日本のこれからに一石を投じるものだと考えている。
(引用終わり)