この地域は現在ロシア軍の占領下にあるが、ダムが被害を受けたことで下流の住宅数千棟が浸水。水は同日午後、ヘルソン市内にも達した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はメッセージアプリ「テレグラム」で同日午後、政府と公共サービスは「人を救うために最大限の努力をしている」と書いた。80以上の町村が被害にあう恐れがあると明らかにすると共に、「危険地域」に暮らす人たちには緊急避難命令が出たことを確認した。
大統領府はさらに、ダム破壊によってドニプロ川は150トン分の工業用潤滑剤で汚染されたと明らかにした。
ウクライナ外務省は、国連安全保障理事会の緊急会合招集を要求。欧州委員会のペテル・スタノ報道官は、「これは新しいエスカレーションを示すもので、ロシアのウクライナ侵略の恐ろしく野蛮な性質はかつてないレベルに達した」と非難した。欧州理事会のシャルル・ミシェル議長はツイッターで、ダム破壊は戦争犯罪にあたると書いた。
他方でロシアは、ダム破壊はウクライナによる「意図的な破壊工作」だとしている。
何が起きたのか
ゼレンスキー大統領は6日朝にツイッターで、壊れたダムの様子を映したドローン映像を公開。「カホフカ水力発電所のダムの破壊は、ウクライナの土地の隅々から彼ら(ロシアのテロリスト)を追放しなければならないことを、全世界に確認させただけだ」、「テロリストは水でもミサイルでも、何を使ってもウクライナを止めることはできないだろう」と述べた。
大統領はさらに、国家安全保障・国防会議の緊急会合を招集したと発表した。
https://twitter.com/ZelenskyyUa/status/1665952784665964545
BBCヴェリファイ(検証チーム)は、外観の詳細や建物の配置、周辺の天候など、視覚的な手がかりを照合し、この映像が本物だと確認している。