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正月気分突き破る久しぶりの大地震

2016-01-11 18:45:20 | 気象・地震
平成28年1月11日15時26分頃の青森県三八上北地方の地震について(気象庁報道発表)

新年も10日以上過ぎ、もうおとそ気分でもない方が大半と思うが、そんな気分を突き破るかのような地震だった。3連休最終日の休日、しかも11日。不思議なことに、気象庁が報道発表を行うような大地震は週末や祝日に多いような気がする。新潟県中越地震や岩手・宮城内陸地震は週末、阪神大震災は休み明けの月曜早朝、東日本大震災は休みに入る直前の金曜午後だ。11日というのも東日本大震災と同じで、若干薄気味悪くはある。

報道発表を見ると、地震規模はM4.6。震度が大きい割には小さいが、直下型であったこと、震源が浅い(約10km)ことによる。ただ、震源が浅かったせいか、揺れの伝わる範囲は狭かった。当ブログ管理人は道内の自宅にいたが、床が持ち上げられるような弱い揺れを一瞬だけ感じた。気のせいかと思っていたが、震度1にも満たない微弱な揺れは伝わったと思う。10kmという震源深さは東日本大震災と同じだが、震源が3.11の震源域から見てあまりに北に寄りすぎており、東日本大震災の余震、関連地震に位置づけるのは無理だろう。

過去の地震で、今回の地震と類似のものがないか探してみたが、当ブログ管理人がデータを保有している2007年以降の地震では見当たらなかった。東日本大震災を挟んで、過去、この区域で発生した地震は震源深さが50km程度か、これより深いものが多い。また発震機構(地震のメカニズム)はプレート境界より日本列島寄りの地震で一般的な逆断層型という点で過去の地震と共通しているが、圧力軸の方向はこれまで東南東―西北西方向に集中しており、今回の地震(東北東―西南西方向)とは微妙に異なっている。大震災から間もなく5年、そろそろこの区域での地震の起き方にも変化が出てくる頃だろう。

ここ数ヵ月間、奄美大島近海や鳥取県中部など、震度4以上を観測した地震は西日本に集中しており、西日本以外での震度4以上は昨年11月28日、根室半島東方沖地震(根室市で震度4)以来。東日本大震災での主要被災エリアを震源とするものに限れば昨年11月22日の茨城県沖を震源とする地震(日立市などで震度4)以来だった。震度5弱となると、昨年9月12日、東京湾を震源とする地震(調布市で震度5弱)以来となる。その意味では、久しぶりの大きな地震だったことになる。震源となった青森県三八上北地方では、しばらく余震に注意してほしい。

なお、今回、この記事を書きながら過去の地震データを調べているうちに、気になり始めたことがある。東京湾を震源とする地震が目立って増えている点だ。上で述べた昨年9月12日の震度5弱を皮切りに、昨年末の12月26日には連続5回の群発地震が起きた。過去の地震データを見ると、東日本大震災が起きた2011年は別として、それ以外の年は概ね年間5回以内に収まっていた東京湾を震源とする地震が、昨年は年9回と目立って多かった。普段、あまり震源となる場所ではないだけに、少しの増加でも非常に目立つという側面は否めないが(年明けからネットで話題になっている首都圏での「地鳴り」は、今のところこれを地震の前兆と判断することはできない)。

地震の規模などを見る限り、今のところ首都圏ですぐ何らかの緊急対策が必要とは思えない(緊急対策を必要と判断するには地震の規模が小さすぎ、また地震と地震の間隔も空きすぎている)。だが、大都市は地震に対し独特の脆弱さを抱えているばかりでなく、東京23区の大部分が海抜0m地帯であることを考えれば、これを機会に非常用品の点検などの対策をいま一度徹底するのにちょうどよいのではないか。過去の地震に学ぶことなく、これでもなお対策を取らないまま、のほほんと構えている人や組織には、いずれそれにふさわしい末路が訪れると、この機会に改めて警告を発しておきたい。

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