安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

【警告】南海トラフ巨大地震発生の切迫性が増してきたと考えます

2021-12-10 23:24:37 | 気象・地震
令和3年12月3日06時37分頃の山梨県東部・富士五湖の地震について(気象庁報道発表)
令和3年12月3日09時28分頃の紀伊水道の地震について(気象庁報道発表)
令和3年12月9日11時05分頃のトカラ列島近海の地震について(気象庁報道発表)

率直に言って、ここ最近の日本周辺での地震の多さは異常だと思う。東日本大震災の直前に匹敵するレベルだし、ここ数年来でも群を抜いている。12月3日からわずか1週間で震度5強が1回、震度5弱が2回。さらに、2ヶ月前までさかのぼると、首都圏を大混乱に陥れた10月7日深夜の地震も加わり、2ヶ月で震度5弱以上が4回というハイペースぶりだ。

令和3年10月7日22時41分頃の千葉県北西部の地震について(気象庁報道発表)

当ブログでは、以前は気象庁が会見を開くような震度5弱以上、または津波警報・注意報が発表されるような規模の地震については毎回必ずコメント記事を書いていた時期もあった。最近は以前ほどマメに書いていないが、それでも地震自体の分析は気象庁のプレス資料などを基に続けている。今回のように、気になるタイプの地震が続く場合には、気象庁から発表された震央の場所を、プレート境界地図の上にプロットする作業をしてみることもある。そうすることで、日本周辺の広域的な地殻変動に関して、何らかの傾向が見えることもあるからだ。

そして、今回も同様に、プレート境界地図の上に、上記各地震の震央の位置をプロットしてみたところ、恐るべき結果となった。これを戦慄と言わずして何と言うのか。



青い点は震央の位置、赤い矢印は逆断層型地震における圧力軸の方向、緑色の矢印は正断層型地震における張力軸の方向を表している。ここ最近の震度5弱以上を記録した地震はいずれもプレート境界に近い場所で起きているという共通点がある。12月3日の山梨県東部・富士五湖付近の地震に至っては、北米プレートとユーラシアプレートのほぼ境界上で起きている。

10月7日の首都圏地震は、圧力軸の方向が東西。12月3日に起きた2つの地震では、圧力軸の方向がいずれも北西~南東。そして、9日のトカラ列島の地震でも、張力軸の方向は北西~南東で、すべてプレートの移動方向と一致している。

そして、注目すべきは震源の深さだ。10月7日の東京都心の地震では75kmの深さだったが、次第に浅くなり、12月に入ってからの3回の地震はすべて18~20kmの深さで起きている。ちなみに、プレートの潜り込み地点(フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる場所)の深さは20km程度と言われており、ほぼ同じだということに注意する必要がある。

ここまで説明すれば、当ブログが何を主張したいかはおわかりだろう。向こう20~30年間の発生確率が70%と予測されている南海トラフ地震。当ブログはその発生時期を「早くても2020年代中盤」と見ていたが、この様子だともっと早くなりそうだということである。

あえて誤解を恐れず言えば、南海トラフ地震発生はかなり差し迫っているのではないか。トカラ列島での群発地震が今年4月にも発生したばかりなのに、わずか8ヶ月で再発し、震度5強、M6.0の揺れを記録した後も沈静化の兆しすら見せていないことを考えると、南海トラフ大地震は最悪の場合、今日明日にも起こる可能性があるし、最も楽観的な見通しでも向こう1年くらいのうちには発生するのではないかと思える。特にこの10月以降の状況はそれほどの異常さを示している。

当ブログ管理人は今日、南海トラフ大地震がここ数日のうちに発生してもいいように、車のガソリンを満タンにし、米、ガスボンベ、乾電池などの非常物資を買い増ししてきた。明日も、今日に引き続きミネラルウォーター、マスクの買い出し、また真冬の停電に備えてガスコンロ式ストーブの運転試験を行う予定である。

当ブログを読んでいるみなさんも、南海トラフ地震は差し迫っているものとして今のうちから備えをきちんとしてほしいと思っている。あさって12日には、避難を希望するトカラ列島・悪石島の島民のために村営フェリーが出ると聞いているが、私はできることなら全島民に避難してほしいと考えている。ここ1ヶ月くらいのうちに悪石島が巨大津波に洗われ、「あのときに避難しておけば……」と「遺族」が涙することにならないように願うからである。

私のこの警告が杞憂であることを願っている。

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