安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

北海道内、本日も異常豪雪

2022-02-23 23:27:12 | 気象・地震
全国ニュースでも報道されているようだが、この冬の豪雪はちょっと……どころではなく、かなり異常だ。

連日、横なぐりの暴風雪が続き、さっき除雪作業をしたばかりなのに、半日もするとまた20~30cmも新雪が積もるという状態で、ついにここ千歳市では積雪が120cmを超え、観測史上最高となった。

除雪をしてもすぐにうずたかく新雪が積もるので、駐車場から車も出せず、買い物にすら行けずついに冷蔵庫の食料が底をついた。大地震に備えて備蓄しておいた非常食に手を付けざるを得ないかと話していたところ、今日正午頃、丸2日半続いた暴風雪がようやく収まり、晴れ間が覗いた。この隙に、除雪作業をしたらようやく駐車場から車が出せるようになったので、食料の買い出しに行ってきた。

終日運休となり、案内が消えた新千歳空港の発車表示板(2/21 17:55)




新千歳空港駅で運休を伝える液晶パネル(2/21 17:55)


駅の券売機も販売中止 せっかくの「2022.2.22」の2並び入場券も買えなかった(2/21 17:55)


除雪を終え、3日ぶりに車で出た千歳市街 除雪された雪がうず高く積まれ1階部分はほぼ見えない(2/23 13:30)


千歳駅前も、雪がうず高く積まれ駅名板まで届きそう(2/23 13:30)


雪で看板も見えない(2/23 14:20)


イオン千歳店駐車場にて 雪の壁の向こうのマクドナルドの看板は、かろうじて上の部分が見えるだけ(2/23 14:20)


暴風雪状態が丸2日半も続くというのは、道内でも道北やオホーツク海沿岸、日本海側では珍しくないが、札幌近郊では珍しい。こうした状態を招いたのは強い冬型気圧配置だ。23日21時現在の天気図を確認しておこう。



注目いただきたいのは、ベーリング海に中心を持つ「爆弾低気圧」(960hPa)と中国大陸に中心を持つ高気圧(1036hPa)の気圧差がなんと86hPaもあることだ。天気図では、等圧線は4hPa当たり1本ずつ引くことになっているので、この間に等圧線が21本ある計算になる。風速や暴風雪は気圧差が大きければ大きいほど強くなる。風は気圧の差によって生まれるからである。

気圧の差が風を生み出すということを考えると、今回の暴風雪の原因は、単に爆弾低気圧の威力だけにあるのではない。中国大陸の高気圧が異常に強いことにも原因があるわけだが、12月~2月頃は大陸高気圧も毎年、この規模に発達することを考えると、それほど珍しい現象ではない。

豪雪といえば、今でも語り草になっているのが昭和38(1963)年1月豪雪で、「サンパチ豪雪」と呼ばれている。このときの社会状況を描いた「豪雪とのたたかい」という優れた記録映画があるが、これに近い状況をまさか自分が経験することになるとは思っていなかった。この冬の出来事を、おそらく当ブログ管理人は一生忘れないだろう。

豪雪とのたたかい(昭和38(1963)年1月豪雪(サンパチ豪雪)記録映画)


こちらは鉄道とその周辺の人々に対象を絞っているが、音威子府村を中心に豪雪と闘う鉄道員の姿を描いた名作。

興味深いのは、制作が機関車労働組合(機労)であること。機労はその後、国鉄動力車労働組合(動労)に名称を変える。最も戦闘的な労働組合になった後、一転して国鉄分割民営化賛成に態度を変え、現在はJR北海道の最大労組、JR北労組に続いている。時の社会情勢に合わせて、ヒラヒラと身を翻す「軽さ」こそ彼らがしぶとく生き残ってきた強さの源泉であると同時に、一度決めた方針を貫けない彼らの「限界」でもある。

記録映画「雪と闘う機関車 (昭和32年、機労制作)」

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