・令和5年5月5日14時42分頃の石川県能登地方の地震について
・令和5年5月5日21時58分頃の石川県能登地方の地震について
・令和5年5月11日04時16分頃の千葉県南部の地震について
(いずれも気象庁報道発表)
気象庁が報道発表を行うような大きな地震は、2022年11月9日の茨城県南部の地震以来、しばらく途絶えていたが、5月に入ってから、まるで新たな活動期を迎えたかのごとく大きめの地震が続いている。石川県能登地方の最初の地震はM6.3・震度6強、2回目の地震はM5.9・震度5弱を記録。今朝の千葉県南部地震でもM5.2・震度5強を記録した。
ここしばらく、当ブログでは気象庁が記者会見を開き、報道発表するような大きめの地震があっても、解説記事を書くことがなかった。最後に記事を書いたのは2022年3月16日の福島県沖地震だが、これは東日本大震災以降では最大の地震だった上、新幹線が1ヶ月近くも運休するなどきわめて社会的影響が大きかったからだ。これに対して、これ以降の地震は大きな特徴のないものが多かった上、そこから特段、差し迫った危険があるとも感じなかったからである。
今回の地震も解説記事は書かないつもりでいた。だが、能登地方の連続地震の分析をした結果、解説記事を書く必要があるのではないかと気が変わった。同じ5月5日に、わずか7時間間隔でM6級の地震が2度、立て続けに発生した上、震央をプレート図の上にプロットしてみると、かなりまずい状況にあるような気がしてきたからである。
能登地方の2回の地震と、今朝の千葉県南部地震の震央の位置を、プレート図の上にプロットしてみたら、上のとおりとなった。どちらもプレート境界にきわめて近い位置で発生している。能登地方の地震に至っては、プレート境界上で起きた地震と言ってもいい。
能登地方の連続地震は、震央が同じ位置であることに加えて、発震機構(地震のメカニズム)も同じで、北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型である。能登地方では、2022年6月19日にも最大震度6弱を記録する地震が起きているが(気象庁報道発表)、このときの震央の位置、発震機構いずれも今回とまったく同じである。
震源の深さも、3回とも12~14kmのほぼ同じ深さで起きており、いずれもプレート境界とされる深さ30~50kmよりやや浅い場所で起きている。昨年6月の地震がM5.4、今回の連続地震がM6級で、今回のほうがワンランク大きくなっている。
注目されるのは、今朝の千葉県南部の地震も、発震機構が「北西―南東方向に張力軸を持つ型」で、方向に関しては能登地方の地震とまったく同じであることだ。地震には正断層型、逆断層型、横ずれ断層型の3タイプがあり、気象庁の報道発表ではいずれの型かは記載されていないが、「張力軸」を持つタイプは正断層型か横ずれ断層型のどちらかであり、少なくとも逆断層型ではない。
能登地方の連続地震が「逆断層型」である一方、千葉県南部地震は逆断層型以外ということになる。この地震の両方に関係している北米プレートを基準にしてみると、千葉県南部地震はプレートのやや内側、一方の能登地方の地震はほぼプレートの真上になるが、あえて内側か外側かで分けるのであれば、わずかに外側に出ているように見える。プレート内側の地震が「逆断層型」、一方で力の向きが逆になるプレート外側の地震が「正断層型」と、逆の型になっているのは整合性がとれている。
要するに、5月5日の能登地方連続地震と、今朝の千葉県南部地震は同じプレートの同じ動きによって引き起こされた「関連地震」かもしれないということである。
そして、さらにまずいのは、この両方がプレート境界のほぼ真上(能登地方地震)または境界にきわめて近い場所(千葉県南部地震)で起きていることである。特に、能登地方は昨年6月とまったく同じ震央の場所であり、3回連続、プレート境界のほぼ真上で起きたことになる。震源の深さもほぼ同じで、規模だけが昨年6月より1ランクアップしているというきわめてまずい状況だ。能登地方の地震は、どう考えてもプレートのひずみが限界に達しつつあることによって引き起こされているとみるしかなく、しかも地震発生のたびに規模が大きくなっていることは、プレートが沈降から「反転」する瞬間が差し迫っていることを示している。
以上の分析結果から、能登地方地震の震源域に近い地域に住んでいる人々(能登半島全域)に、当ブログは強く警告する。北米プレートとユーラシアプレートがぶつかっている能登地方の直下におけるプレートのひずみは限界に近づいており、2020年から続いている一連の地震は、プレートの反転に伴う海溝型巨大地震の発生が近いことを告げている。巨大地震の発生時期は、長くても5年以内だろう。プレート境界型地震なので、発生すればその規模は東日本大震災と同程度になる。今回の地震で自宅が倒壊して住めなくなった方は、建て直すくらいなら別の場所への移住を強くお勧めする。少なくとも、能登地方での自宅再建はとてもお勧めできない。
北陸電力志賀原発は、東日本大震災以降、止まったままだ。直下に活断層があるとする評価書の案を、原子力規制委員会がいったん決定し、廃炉不可避というところまで来ていたのに、あろうことか規制委は北陸電の主張を認め、いったん決めていた評価書案を撤回。志賀原発の直下にある断層は活断層に当たらないとして再稼働にゴーサインを出した。信じられないことだ。当ブログの分析が正しければ、5年以内に襲来するプレート境界型巨大地震により、志賀原発は福島第1原発と同じ運命をたどることになる。再稼働などあまりにふざけている。今すぐ廃炉にすべきだ。
もし、このまま志賀原発が再稼働し、その後に巨大地震で志賀原発が「第2の福島第1原発」になったら、当ブログは北陸電力だけでなく、規制委の責任も問う。規制委を、東京電力に対してしたのと同じように、刑事告発することになろう。規制委にその覚悟はあるのか。あるなら志賀原発の廃炉を直ちに決定すべきだ。ない場合は? 規制委は税金の無駄なので解散してよいと思う。
・令和5年5月5日21時58分頃の石川県能登地方の地震について
・令和5年5月11日04時16分頃の千葉県南部の地震について
(いずれも気象庁報道発表)
気象庁が報道発表を行うような大きな地震は、2022年11月9日の茨城県南部の地震以来、しばらく途絶えていたが、5月に入ってから、まるで新たな活動期を迎えたかのごとく大きめの地震が続いている。石川県能登地方の最初の地震はM6.3・震度6強、2回目の地震はM5.9・震度5弱を記録。今朝の千葉県南部地震でもM5.2・震度5強を記録した。
ここしばらく、当ブログでは気象庁が記者会見を開き、報道発表するような大きめの地震があっても、解説記事を書くことがなかった。最後に記事を書いたのは2022年3月16日の福島県沖地震だが、これは東日本大震災以降では最大の地震だった上、新幹線が1ヶ月近くも運休するなどきわめて社会的影響が大きかったからだ。これに対して、これ以降の地震は大きな特徴のないものが多かった上、そこから特段、差し迫った危険があるとも感じなかったからである。
今回の地震も解説記事は書かないつもりでいた。だが、能登地方の連続地震の分析をした結果、解説記事を書く必要があるのではないかと気が変わった。同じ5月5日に、わずか7時間間隔でM6級の地震が2度、立て続けに発生した上、震央をプレート図の上にプロットしてみると、かなりまずい状況にあるような気がしてきたからである。
能登地方の2回の地震と、今朝の千葉県南部地震の震央の位置を、プレート図の上にプロットしてみたら、上のとおりとなった。どちらもプレート境界にきわめて近い位置で発生している。能登地方の地震に至っては、プレート境界上で起きた地震と言ってもいい。
能登地方の連続地震は、震央が同じ位置であることに加えて、発震機構(地震のメカニズム)も同じで、北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型である。能登地方では、2022年6月19日にも最大震度6弱を記録する地震が起きているが(気象庁報道発表)、このときの震央の位置、発震機構いずれも今回とまったく同じである。
震源の深さも、3回とも12~14kmのほぼ同じ深さで起きており、いずれもプレート境界とされる深さ30~50kmよりやや浅い場所で起きている。昨年6月の地震がM5.4、今回の連続地震がM6級で、今回のほうがワンランク大きくなっている。
注目されるのは、今朝の千葉県南部の地震も、発震機構が「北西―南東方向に張力軸を持つ型」で、方向に関しては能登地方の地震とまったく同じであることだ。地震には正断層型、逆断層型、横ずれ断層型の3タイプがあり、気象庁の報道発表ではいずれの型かは記載されていないが、「張力軸」を持つタイプは正断層型か横ずれ断層型のどちらかであり、少なくとも逆断層型ではない。
能登地方の連続地震が「逆断層型」である一方、千葉県南部地震は逆断層型以外ということになる。この地震の両方に関係している北米プレートを基準にしてみると、千葉県南部地震はプレートのやや内側、一方の能登地方の地震はほぼプレートの真上になるが、あえて内側か外側かで分けるのであれば、わずかに外側に出ているように見える。プレート内側の地震が「逆断層型」、一方で力の向きが逆になるプレート外側の地震が「正断層型」と、逆の型になっているのは整合性がとれている。
要するに、5月5日の能登地方連続地震と、今朝の千葉県南部地震は同じプレートの同じ動きによって引き起こされた「関連地震」かもしれないということである。
そして、さらにまずいのは、この両方がプレート境界のほぼ真上(能登地方地震)または境界にきわめて近い場所(千葉県南部地震)で起きていることである。特に、能登地方は昨年6月とまったく同じ震央の場所であり、3回連続、プレート境界のほぼ真上で起きたことになる。震源の深さもほぼ同じで、規模だけが昨年6月より1ランクアップしているというきわめてまずい状況だ。能登地方の地震は、どう考えてもプレートのひずみが限界に達しつつあることによって引き起こされているとみるしかなく、しかも地震発生のたびに規模が大きくなっていることは、プレートが沈降から「反転」する瞬間が差し迫っていることを示している。
以上の分析結果から、能登地方地震の震源域に近い地域に住んでいる人々(能登半島全域)に、当ブログは強く警告する。北米プレートとユーラシアプレートがぶつかっている能登地方の直下におけるプレートのひずみは限界に近づいており、2020年から続いている一連の地震は、プレートの反転に伴う海溝型巨大地震の発生が近いことを告げている。巨大地震の発生時期は、長くても5年以内だろう。プレート境界型地震なので、発生すればその規模は東日本大震災と同程度になる。今回の地震で自宅が倒壊して住めなくなった方は、建て直すくらいなら別の場所への移住を強くお勧めする。少なくとも、能登地方での自宅再建はとてもお勧めできない。
北陸電力志賀原発は、東日本大震災以降、止まったままだ。直下に活断層があるとする評価書の案を、原子力規制委員会がいったん決定し、廃炉不可避というところまで来ていたのに、あろうことか規制委は北陸電の主張を認め、いったん決めていた評価書案を撤回。志賀原発の直下にある断層は活断層に当たらないとして再稼働にゴーサインを出した。信じられないことだ。当ブログの分析が正しければ、5年以内に襲来するプレート境界型巨大地震により、志賀原発は福島第1原発と同じ運命をたどることになる。再稼働などあまりにふざけている。今すぐ廃炉にすべきだ。
もし、このまま志賀原発が再稼働し、その後に巨大地震で志賀原発が「第2の福島第1原発」になったら、当ブログは北陸電力だけでなく、規制委の責任も問う。規制委を、東京電力に対してしたのと同じように、刑事告発することになろう。規制委にその覚悟はあるのか。あるなら志賀原発の廃炉を直ちに決定すべきだ。ない場合は? 規制委は税金の無駄なので解散してよいと思う。