安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

本日夕方の浦河沖の地震について【千歳市で震度5弱を観測】

2023-06-11 23:57:14 | 気象・地震
令和5年6月11日18時55分頃の浦河沖の地震について(気象庁報道発表)

この地震発生当時、千歳市内のスーパーで買い物をしていた。北海道内では、今年春以降、鳥インフルエンザが史上最悪規模で拡大した影響で鶏卵が極端に不足しており、まともな方法ではもはやまったく入手できない(参考記事:朝一番に行かないと買えない… 続く卵不足、安定供給まで1年超か(毎日))。こんな状況の中、店舗の隅に一瞬、卵のような白いものが見えた気がしたので、確認するため、一緒に歩いていた妻と離れたところだった。目指した場所にあったものが鶏卵ではないことを確認してがっかりした瞬間、緊急地震速報が鳴った。

すぐに、妻の元に戻って緊急地震速報の画面を見せ「(地震が)来るよ」と妻の衣服をつかみ、踏ん張った次の瞬間、グラグラッと大きな横揺れが来た。緊急地震速報が鳴り始めてから、強い横揺れまでは10秒くらいあった。少し離れたところで、ガシャンと、何かが割れる音がした。

地震直後の店内の様子=2023年6月11日午後6時55分過ぎ、千歳市内で


こんなに緊急地震速報が早いのは珍しく、①震源はかなり深い、②震源が深ければ、広域に揺れが及んでいるはず--と見たが、2つとも予想通り。揺れの範囲は東海地方にまで及んだ。日本の地震観測地点がないだけで、サハリンやロシア・沿海州で揺れが観測されていても不思議ではない。

気象庁報道発表を見る限り、当ブログが解説記事を書く基準にしている「嫌な感じのする地震」ではない。震央の位置は、2018年、北海道全域停電を招いた胆振東部地震に近いが、震源の深さは胆振東部の37kmに対し、今回の地震は136kmと3倍も深い。胆振東部地震との関連は、ほぼないと考えている。

ところで、最近の災害報道をめぐるNHKの報道姿勢には疑問がある。今日の地震では、震度5弱という大きな揺れを観測したにもかかわらず、NHKは夜7時からのニュースを延長することもなく、7時20分(ラジオ第1)、7時30分(総合テレビ)には通常放送に戻してしまった。去る6月2日(金)の夜から翌3日(土)にかけても、私は台風が接近する中、どうしても外せない所用で首都圏にいたが、3日朝、宿泊していたホテルでテレビを見ても、都民が最も知りたいであろう台風情報は字幕で流すだけ。延々とウクライナ情勢について報道していた。

もちろん、ウクライナ戦争が重要でないというつもりはない。無辜の一般市民が傷つき、倒れ、死んでいるウクライナ戦争の行方は日本国民の生活にも大きな影響を与えている。戦争は最大の命の浪費であり「初めは亡くなった人が名前とともに報道される。そのうち死者は数字でしか報道されなくなる。さらに時が経過すると、死者の数もわからなくなる」といわれる。その意味では報道すべき最重要事項のひとつではあろう。

だが、それは目の前で日本国民に死者が出るかもしれない台風情報に優先してまで延々とやるべき報道だろうか。そんな疑問がぬぐえないのである。最近のNHKは、政権にとって不利な内政問題(最近では、岸田首相の息子による官邸忘年会問題など)が出てくると、そこから市民の批判をそらすため、都合よくウクライナ戦争を利用しているだけではないかと思わざるを得ない。日本の市民にとって何が優先課題かを、間違えないようにしてもらいたい。

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